一発合格者の合格体験記

一発合格者の方の中から、合格体験記をご執筆してくださった方18名を掲載しています。

どのように講座を利用し一発合格を勝ち取ったのかが詳細に記載されていますのでぜひご覧ください。

※このページでは合格者のお名前はイニシャルとし、顔写真は不掲載としました。

※体験記の原文は辰已の司法書士試験合格体験記『合格の形』に掲載されています。


一発合格者の合格体験記
前年10月から始めて一発合格!

R.Yさん

 

はじめに

中学生くらいの頃に、「ミナミの帝王」という漫画を読み、法律に興味を持ちました。その後、法学部に進学し、そのとき所属していた部活動の同期から司法書士を目指しているという話を聞いて、司法書士という資格を知りました。そこから、司法書士という資格に興味を持ったものの、合格率の低さや平均受験回数を知ると、なかなか受験することへの一歩を踏み出せずにいました。社会人となり数年、仕事に慣れてきたこともあり、自分の将来の選択肢を広げるために、興味のあった司法書士試験を受験することに決めました。

2023年10月から2024年受験対策リアリスティック一発合格松本基礎講座を受講しました。松本講座にした理由は、YouTubeなどで松本先生の講座に対する熱量などを知っていたからです。また、試験まで残り1年を切っていたのでロングスタディコースと迷いましたが、取り寄せた合格体験記を読み、「なんとか間に合うのではないか」と思い、2024年合格目標の講座にしました。年内は、週約6コマの視聴をし、追いつくのに必死でした。勉強時間は平日3~4時間、休日10時間以上の週平均35時間を目標にし、年内に主要4科目を終わらせようとしました。実際、民法は11月中旬、不動産登記法は12月中旬、会社法・商業登記法は年をまたいで1月中旬に講座の視聴を終えました。その間、追っかけ復習は、民法が1周できたのみです。年明け後は、週約4コマを視聴しなんとか4月下旬に講義を聞き終えました。途中でロングスタディコースの方が良かったかなあと思うこともありましたが、昨年度の合格者の方に自分と同様のペースの方がいらっしゃったので、それが非常に心の支えになっていました。

 

私のとった勉強法

択一対策について

択一については、とにかく基準点を超えなければならないし、上乗せがないと勝負にならないと思っていたので、捨て科目は作らなかったです。講義を聴いた後は、まず過去問を解きました。過去問については、指定された過去問を全て(昭和の肢を除く)解きました。松本講座では、専用のブログにその過去問に対応するテキストの該当ページと飛ばしてもよい肢が載っており、すぐにテキストの該当ページに戻ることができ効率的に勉強できました。また、飛ばしてもよい肢については二度と見ないようにしていました。過去問には、問いた日付と解くことができたかどうか(〇:解けた、△:解けたが悩んだ(悩んだ肢の番号も記載)×:解けなかった)を記録し、直前期の復習に活用しました。過去問の解説については、テキストを読んでも理解が追い付かなかった場合にのみ読んでいました。テキスト単体でのアウトプットについては、あまりできていなかったです。復習方法としては、1コマずつテキストのページを読み、該当の過去問を解き、テキストを確認するといった方法を採っていました。過去問を解いて、出題のされ方に慣れることと該当のテキストのページを想起できることが大事だと思っていたからです。情報の一元化を図るため、解いたときに気づいたことや、注意すべき点は全て過去問の解説のページや、テキストに書き込んでいました。最初のほうの講義で、松本先生から、初めて過去問を解く場合でも、問題文の大事だと思うところに線を引くようにと指示があり、始めは「再度解くときにヒントになるんじゃないかな」と思って、線を引くのにためらいがありましたが、実際、2回目以降解くときに気にならなかったです。むしろ、自分が引いた箇所とテキストに色付けをした箇所を照らし合わせることで、問題文の中で気を付けるべきところや見落としていたところが明らかになるので、線を引くことにためらわなくても大丈夫です。

テキストは、回したのが多い単元(例えば、不動産登記法の抵当権や根抵当権)で10周ほど、少ない単元で2周はしました。確実に暗記するように指示があった箇所については、コピーをし、それをラミネートしていつも持ち歩くようにしていました。Cランクの知識については、飛ばしていました。

苦手意識があった科目は、民事訴訟法と刑法でした。民事訴訟法については、用語の意味を確実に理解することと、条文を押さえることを心がけていました。刑法については、あまり深入りをせずに、直前の本試験出題予想会とAランクの知識を中心に勉強することにとどめました。勉強の中で、特に条文を見るようにしていたのは、民法の総則・家族法、民事訴訟法・民事執行法・民事保全法、憲法の統治です。試験日前の1週間で全科目のテキスト1周することが望ましいと分かっていたので、余裕を持って、試験日前の10日間でそれを実行しようとしました。結果としては、民法、会社法・商業登記法については途中までしかみることができず、それ以外は回し切ったというものでした。完璧とまでは言えないですが、大方の知識を確認することができたので、試験中も「見たことあるな~」という印象を持つ問題が多く、スムーズに解き進めることができました。

 

記述対策について

とにかく1周は、講義のペースどおりに早く触れた方がいいです。記述の知識が、択一の知識の補強にもなるからです。講義で取り扱う問題をまず1問を解き、解説を聴き、次の問題に取り組むという流れで進めました。講義では取り扱わなかった問題で、解くように指定された問題については、講義で聴いたことの確認として最後にまとめて解いていました。本試験までに、基本編は2回解き、講座での専用教材は講義に合わせて1回解いたのみで、あとは論点を確認することしかできなかったです。

記述で特に必要なことは、ひな形の暗記だと思います。ひな形が反射的に思い出せるようになると得点が安定します。6月以降毎日、通勤時間の約1時間を利用し、音声データに合わせてシャドーイングをしていました。速度は、主に標準のものを使っていました。気になる箇所や、添付理由が思い出せない箇所は後々テキストで確認していました。最終的には、申請例のタイトルを聴いて、添付情報まで何も見ずに言うことができるレベルでした。ひな形の暗記はこつこつやることをおすすめします。

記述は、択一と違って間違えたところをノートにまとめることをおすすめします。申請人の書き方や、なぜ枠ずれしたのかといったことをまとめておくと試験前に見返すのに便利ですし、同じミスで点を落とすリスクを減らすことができると思います。

 

答練・模試編

受けることができるなら受けた方が良いです。試験中の時間配分や自分の学習到達度が分かるからです。また答練・模試といった実力を試す場があるとそれに向けて、「1問でも多く正解しよう」という気持ちや「この単元の問題はできるようにしよう」という気持ちになるからです。答練・模試で思うように得点できなくても過度に気にしなくても良いと思います。伸びしろがあるということですから。答練・模試の記述問題の復習については、解いた後、コピーを取り、正しい解答を書き写し、その根拠や考え方を確認していました。択一問題の復習については、その日かその次の日までに必ず終わらせるようにして、復習に時間をかけすぎにようにしていました。答練・模試については、すべて自宅受験でしたが、何回かは本試験の練習のために最寄りの図書館で時間どおりに受けるといったことをしていました。

 

本試験当日(午前)

試験会場には何回か行ったことがあったので、道に迷うことはなかったです。試験が始まって、民法、会社法、憲法、刑法の順で解き進めました。時間に余裕があったので、全肢検討しました。設問を読み間違えることを避けるために、設問に対しても〇×を付けました。悩ましい問題が少なかったので、スムーズに解くことができ、焦りなどはなく落ち着いて試験に臨むことができました。見直しは、制限時間いっぱいまでしました。

 

本試験当日(午後)

休み時間におにぎり2つと栄養ドリンクを体内に入れました。リラックスすることが大事だと聞いていたので、食後はベンチで横になったり、ストレッチをしたりしていました。午後の試験は、時間との戦いです。供託法、司法書士法、民事保全法、民事執行法、不動産登記法、商業登記法、民事訴訟法、不動産登記法記述、商業登記法記述の順で解きました。短い文章の肢をまず読み解答を絞ってから次の肢に目を運びます。運が良いことに、大体2肢読むと答えを導出できるものが多く、50分もかからずに択一を解き終えました。不動産登記法記述に移ります。問題全体に目を通して、分量が多いなと思いました。答案構成までに35~40分かかりました。解答を答案用紙に書こうとしたところ、「受かるかもしれない」という緊張と疲労などが相まって手が震え始めました。解答用紙にあまりに上手く字が書くことができない状態であったので、書くのを一旦やめて、商業登記法の記述に進みました。こちらは、30~35分で答案構成ができました。登記できない事項について、おそらくこれだろうなというものがありましたが、確信を持てなかったので、登記の事由には一応それを書き、登記すべき事項についてはあえてその内容を書きませんでした。時間短縮と得点最大化のためです。解答用紙に書いていくための時間は十分にあったので、慎重に書いていきました。書き終えた後は、付随的な問いの検討と択一で気になった箇所の見直しを行いました。

 

最後に

範囲が広い、記憶した次から忘れていく、思うように学習が進まないといったことから勉強が嫌になったり手につかなくなったりすることがしばしばあると思います。また、周りの人と比べて、自分が遅れているのではないかという感覚になり焦ることもあると思います。この試験は、最後まで自分との戦いだと思います。どんなにつまずこうと、どんなに進むのがゆっくりであろうと、「これだけやれば受かる!」といった合格へのイメージを自分の中で強く持つことが大切です。私にとっては、そのイメージの手助けをしてくれたのが辰已ないし松本先生でした。合格への思いというのは、「受かって早く独立したい」といった正の感情や、「こんなに大変な試験勉強をもうしたくはない」といった負の感情の様々あると思います。どのような思いも自分を突き動かす原動力となるものです。自分が抱く合格への思いと合格へのイメージを大切にして、歩を進めてください。

一発合格者の合格体験記
タイムリミット付きの目標設定で一発合格!

N.Oさん

 

司法書士の受験を決意した経緯

大学卒業後、民間企業で営業職をしていましたが、自分の性格的に1から何かを生み出す仕事より、専門知識を活かして人の役に立てる仕事の方が向いているだろうと感じ、何か自分に合った資格はないか探し始めました。その中で、以前から相続について漠然と興味を持っていたこともあり、司法書士or税理士の二択まで絞られました。税理士は文系の私には向いてなさそう、かつ法学部出身(とはいえ、授業にもほぼ出席せず趣味とバイトに明け暮れた不真面目学生だったので、知識レベルはほぼ初学者に近い)なので、司法書士の方が現実的だと思い、司法書士を志しました。当初は兼業での合格を目指していましたが、仕事と勉強を両立出来るだけのキャパシティが私にはないと感じ、早々に専業で一発合格目標に切り替えました。落ちたら再度兼業でもう1年、それでもだめなら潔く諦める、このようにタイムリミットを設けて目指すことにしました。

 

勉強法全般

択一対策

テキストの見出しだけで書かれている内容を思い出すというやり方で、ひたすらテキストを回しました。模試や本試験の際、「この表の右側にこれが書かれていたから…」とテキストのイメージを頭に思い浮かべることも出来たのでおすすめです。また、午後はとにかくタイムアタックなので、直前期は午後択一の過去問を中心に回し続けました。午後択一のマイナー科目は1問1分以内、不登法と商登法は1問1分半以内で回せるように、常にタイマーで時間を測りながら問題を解き続けました。最初この目標時間を松本先生から聞いたときは自分には無理だ…と諦めそうになりましたが、とにかく無心で毎週解き続けると、「この文言がきたらこれが聞かれるな」とパターンが見えてくるようになりました。また、過去問が一問一答形式で出題されるアプリも全科目分購入し、移動中はもちろん、髪を乾かしている間などとにかくスキマ時間を見つけては解くようにしていました。

 

記述対策

私は直前期の模試でも70点満点中23点を叩き出してしまうほど、不登法の記述が苦手だったので、直前期に松本先生に相談をしました。先生からは、①間違いノートを作ること。②いろいろな問題に手を出すのではなく、既に解いたことのある問題の中で間違えたものを何回も解いてパターンを覚えること。この二点のアドバイスをいただきました。

①については、2回以上間違えた問題について、間違えたポイントを記録していきました。不登法については前のページから、商登法については後ろのページから、ミニサイズのノート1冊に書き、どこにでも持ち歩けるようにしました。模試や本試験の始まる直前まで見直すことが出来たので良かったです。②については、記述の講義で扱った問題、過去の模試、答練で出題されたもの、過去問10年分を最低でも3周は解いていました。

 

インプット段階

講座の受講に至った経緯

周りの受験生から「選択肢が限られる地方の予備校の対面講義を受けるよりは自分に合った選択が可能な通信講座の方が良い」とアドバイスを受けていたので、通信で受講できる講義を探していました。松本先生の講座を受講することにしたのは、業界で有名な先生方の出版されたテキストを何冊か読んだ中で一番頭に入ってきやすいなと感じたことと、YouTubeで視聴した体験講義の内容もとても分かりやすかったためです。決して安くはない受講料を払う上で、先生との相性を一番重視しました。

 

講座活用法

私は2023年5月の本講義から受講をし、まずは松本先生に言われた通り、7月のお試し受験でその時までに習った範囲で9割正解することを目標にしていました。ただ、6月までは兼業であったため、その頃は勉強時間も思うように確保できず、講義に追いつくのに必死でした。結果的にお試し受験で目標達成は出来ましたが、自分にとっては奇跡に近いような感覚でした。とはいえ、目標を達成したことでこの講義で進めて間違いないなと、確かな自信になったのも事実です。7月より専業受験生となりましたが、最初の頃は新卒から続いていた社会人生活から解放された嬉しさで、勉強時間より遊びや趣味を優先してしまっていました。毎日の勉強時間をアプリで管理していましたが、9月までは月に125時間(1日平均4時間)しか勉強しておらず、専業受験生としては、恥ずかしくなるくらいの勉強量でした。そこで「まずは1カ月無理をする、そうすることで勉強習慣が身につく」という松本先生の教えに従った結果、徐々に勉強習慣がつき始め10月は173時間、11月は240時間と勉強にあてる時間が増えていきました。

 

受講してよかったと思うこと、講師のよかった点

これは松本講座受講生の皆さんがおっしゃることだと思いますが、テキストの色分けは勉強を進めていく中でとても助かりました。特にテキストを何回も回さなければいけない直前期には、とてもじゃないですが膨大な量のテキストを1ページずつ読んでいる時間はありません。その時に最終的には赤と緑で引いたところを回せば良かったので、テキストの周回スピードをあげることができ有難かったです。また、こちらからの質問に対する松本先生のレスポンスの速さに大変助けられました。どうしても通信講座の受講生はリアルタイムで質問出来ないという欠点がありますが、無料の質問サービスを使って分からないことを聞くと、早ければ数時間後には返答が来るので、対面講義の受講生と大差なく疑問点を解消することが出来ました。毎日ご多忙の中、ここまで即レスしてくださる先生もいらっしゃらないと思っています。

 

アウトプット段階

答練、模試

答練は辰已のパックで受講し、模試は他校のも含めて12月に1回、3月に3回、直前期に6回受験しました。辰已の答練は午前科目、午後科目を隔週で受験するので、その週に受ける科目に絞って集中的に勉強出来る点が良かったです。本試験当日のルーティーンをいくつか試すためにも、複数回受験することをおすすめします。12月の模試の時点ではまだ記述の講義も受けていなかったので模試の受験自体迷いましたが、直前期の記述対策の一教材として使うことが出来るので、もし余裕があれば受験される方が良いかと思います。12月の模試ではE判定でした。ただ、全ての講義を受けていない状態であったため、必要以上に判定を気にすることはせずに、直前期の模試ではS判定を取れるようにと年末に気合を入れ直すことの出来る良い機会だったと思います。

 

合格に至るまでの出来事

体力作りについて

一日中机に向かって勉強だけをする生活を続けると、想像以上に体力や筋力が衰えます。最初の頃は模試の翌日にベッドから起き上がることができず、布団の中で択一アプリを回すので精一杯で寝込んでしまう日もありました。そこで、夕食後に1日30分程度近所を散歩する習慣をつけました。音楽も聴かずに無心で歩くことで、体力がつくだけでなく、脳内での考え事も整理され、スッキリした気持ちで勉強に臨むことが出来ました。

 

生活リズムについて

直前期には試験当日のスケジュールを意識した食事管理も行いました。起床して約3時間後に脳の冴えがピークに達するので、毎日遅くても6:30には起きるようにしていました。そこから2時間程度勉強し朝食にホットコーヒーを飲みながらパンを食べていました。昼食は12時頃とっていました。午後に眠くならないようになるべく炭水化物は避け、量も取りすぎないように制限をしていました。全く取らないのも一度試しましたが、お腹がすきすぎて頭が働かなくなってしまったので、某ゼリー飲料と軽めのお菓子を食べていました。普段の学習では午後も集中できるように、昼食後30分程度の仮眠を取ることが多かったです。ただ、模試の時は本番を想定して仮眠は取らず、自分の好きな曲を聴きながら15分程度散歩をしていました。朝、昼と食事に気をつけている分、試験終了時刻である16時以降は特に気にせず、夕食は好きなものを食べるようにしていました。夜の勉強に支障が出ないように夕食も軽めにとるという方法もありますが、朝型の私は夜遅くまで勉強することはほぼなかったので、あえて夕食は多めにとり、良い具合に睡魔が来るように調整していました。また、1日の勉強時間が11時間を超えたあたりからあまり頭が働かなくなっていたので、翌日に脳疲労を残さないために、模試と試験前日の夜は一切勉強せず、湯船に浸かりながら好きな動画を見てリラックスするようにしていました。これは松本先生が雑談の中でおっしゃっていたのですが、休憩中見る動画は笑える動画が良いそうです。私は好きな芸人の動画を数本見るようにしていました。このように試験当日のスケジュールや自分の体質などを考慮した上で、1日のルーティーンを何パターンも試すことをおすすめします。

 

SNSとの向き合い方

SNSとの向き合い方も人それぞれかと思います。私は周りの受験生の動向を知るためにSNSを活用していました。ただ、どうしても模試の後にタイムラインで、S判定の結果報告を見ると、自分の成績と比較し、自信を失い自己嫌悪に陥ってしまうことがありました。どの受験生も良い成績しかポストしないと頭では理解しているものの気にしてしまうため、私は容赦なく自分より良い成績のアカウントをミュートしていました。自分の心の平穏を保つための対策は必要だと思います。

SNSをやるもう一つの目的として、モチベーションの向上に繋げるというのもありました。特に憧れている先輩司法書士の方々だけのリストを作り、「自分もこういう生活をする!そのために今頑張る!」と士気を高めていました。その他に司法書士以外の士業受験生の方のリストも作っていました。他の士業であれば他人の成績が気になることもないですし、目指す所は違えど同じ志を持つ受験生に刺激を受けることが出来ました。

このように明確な目的を持った上であれば、SNSは決して悪ではないと思っています。

 

後進へのメッセージ

ここまでお読みいただくと分かっていただけるかと思いますが、私の勉強法は何のオリジナリティもなく、松本先生や過去の合格者の方々の勉強法をそのまま取り入れたものばかりです。

私が合格できた要因は、不必要なプライドを捨てて、先生からのご指導や合格者の方々の勉強方法や生活リズムをそのまま取り入れて、自分にあった方法を試してみたことだと思います。最初から「この人は元のスペックが高いからこの方法で受かった」「この方法は自分には合わないだろうと」先入観を持たずに、柔軟に取り入れたことで、この高い壁を乗り越えることが出来ました。そして、この難関試験に合格できたという経験が、今の自分の一番の支えになっています。元々自己肯定感が低く人生における成功体験も少なかったのですが、合格した現在は日々生活する中で「自分は司法書士試験に受かるくらい頑張れたんだから、何でも出来るはず!」とこの経験が大きな自信になっています。

司法書士試験は決して簡単ではないですが、松本先生の指導に従ってこつこつ努力することで合格への道は開けると思います。

どうか健康に気を付けて頑張ってください。皆様のご健闘を心よりお祈り申し上げます。

そして最後になりますが、松本先生をはじめ、辰已法律研究所のスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

一発合格者の合格体験記
「完了主義」の学習スケジュールで一発合格!

N.Wさん

 

司法書士試験の受験を決意した経緯、合格までの受験状況

私が司法書士の受験を決意した理由は、3つあります。

1つ目は、学歴コンプレックスを克服するためです。

私の学歴は高いとは言えず、社会人になってからずっと学歴にコンプレックスを抱いていました。自信を持てないネガティブな自分を変えたくて、難関資格に合格するという目標を定めました。

2つ目は、特定の分野の専門家になりたかったからです。

前職は2、3年で部署を異動することが多く、広い分野のゼネラリストになることが求められましたが、私は特定の分野を極める方が向いていると感じ、専門的な職業に就きたいと考えるようになりました。

3つ目は、働き方を選べることです。

司法書士は法人で勤務することも独立開業することもでき、開業した場合もバリバリ働く人もいれば仕事量をセーブしてマイペースに働く人もいるということを知り、働き方を選べる魅力的な職業だと思い、司法書士を目指すことを決めました。

 

勉強法全般

松本基礎講座を選んだ理由

市販の教材の中でリアリテキストが人気だと知り、初めはリアリテキストで独学で学習しようと考えました。しかし可処分時間などを考えると予備校の講座を利用して効率的に学習すべきだと考え直し、リアリテキストを使って講義をしている松本基礎講座を受講することにしました。

 

勉強法などで工夫した点

個人的に工夫したことはほとんどなく、松本先生のおっしゃることを素直に実行しました。

講義で「ここは今すぐ暗記してください」や「このページをコピーして壁に貼って毎日見てください」などと言われたことは全て即実行しました。

勉強法ではありませんが松本先生が「同じネクタイを数本持っていて、服を選ぶことに頭を使わない」とおっしゃっていたのを真似して、私服可の職場でしたがスーツと白のシャツを数着用意し、毎日ローテーションで着ていました。他にも松本先生が講義の合間にお話しされることやYouTubeチャンネルで紹介している勉強法や生活の工夫は、できるだけ取り入れました。

フルタイム兼業の時の勉強時間は、出勤前1時間半、通勤時間と昼休み1時間半、夜2時間、合計5時間でした(ただし繁忙期の時は2時間程度でした)。

2月下旬に退職し専業になってからは、朝8時から夜20時まで休憩時間を除いて10時間勉強しました。12時間以上勉強した日もありましたが、翌日に疲れが残ってしまい集中力が落ちてしまったので、1日10時間と決めました。

直前期以外は、金曜の夜はオフにし、土日のいずれかで半日以上オフの時間を作りました。直前期も、1週間のうち1回は半日オフにする日がありました(息抜きも大切です)。

 

インプット段階

令和5年5月~令和6年4月頭の学習

講義ごとに行う「予習・視聴→復習1回目→過去問→復習2回目」のうち、1回目の復習を24時間以内・2回目の復習を72時間以内にできるようにスケジュールを組みました。なお講義は、初期は1・5倍速、慣れてきたら2倍速で視聴しました。

(例)

月曜朝:民法2予習・視聴 夜:民法1復習2回目

火曜朝:民法2復習1回目 夜:民法2過去問

水曜朝:民法3予習・視聴 夜:民法2復習2回目・・・

講義視聴と復習1回目を優先し、過去問や復習2回目ができなかった場合は週末に行うようにしました。

自宅から駅まで歩く時間は、音声学習で雛形の暗記をしました。通勤退勤の電車と昼休みは、テキストの追っかけ復習をしました。

常にテキストを持ち歩き、少しでも時間が空いたらテキストを読んでいました。

一時期、体調を崩してしまい全く学習できない期間が2ヶ月以上ありました。体調が回復してからは、土日にこなすノルマを増やして1週間に講義を4~5コマ消化し、追いつくのに3ヶ月かかりました。

12月~1月は仕事が繁忙期で講義の消化が大幅に遅れてしまったのですが、2月下旬に仕事を退職し専業になってからは1日1講義を消化し、全て4月頭に受講し終えました。4月頭に受講し終え直前期を全て復習にあてることができたのが、合格できた要因だったと思います。

 

アウトプット段階

直前期(4月~7月)の学習

テキストを、メイン科目は5周、マイナー科目は4周しました。

択一過去問は、午前科目(会社法を除く)は1周+間違った問題を直前にもう1回、午後科目と会社法は2周しました(午後科目と会社法が苦手だったので、解く回数を増やしました)。

答練や模試で、午前択一は25問ほど取れるようになりましたが、午後択一が15問ほどしか取れない日々が続いたので、6月以降は毎日、全ての午後科目の択一過去問を解きました。解く時は必ずストップウォッチを使って時間を計り、最終的に午後科目は1問あたりマイナー1分、不登法商登法1分半以内で解けるようになりました。

記述は、基礎編を2日で3問、基礎編が終わったら本試験形式を2日に1問(直前1週間は1日1問)解きました。午後択一を伸ばすことが最優先だったので、記述の問題演習は少なめになりました。

前日に間違えた問題やテキストでアウトプットできなかった箇所は、翌日の最初に復習をしました。時間をかけすぎないよう、復習は1時間以内と決めていました。4月は1時間かかっていた復習も、徐々に短くなり、最終的には10分以内に終わるようになりました。

 

合格に至るまでの出来事

仕事、家族や友人

兼業時代は毎朝5時に起き、仕事が繁忙期の時でも朝の勉強は死守していましたが、それでも残業を避けることができず勉強時間が足りないと判断し、仕事を退職することを決意しました。絶対に令和6年に合格したかったので、背水の陣でした。司法書士試験の受験を決意した当初は「仕事は辞めない方がいい」と言っていた夫でしたが、私が毎日勉強する姿を見て、ベストな状態で試験に臨むのが1番だと言って退職に賛成してくれました。

直前期には家族に不幸があったり避けられないトラブルがあったりして勉強が手につかない日もありましたが、司法書士試験を諦めるという選択肢はありませんでした。泣きながら勉強した日もありました。

友人には「来年司法書士試験に合格するから、試験が終わったら遊ぼう!」と宣言して、令和5年の11月から令和6年本試験まで会いませんでした。実家にも1年以上帰省しませんでした。

 

模試

私は地方在住なので、模試は会場受験できる他校のものを2回利用しました。服装、持ち物、昼食などは本試験当日と同じものを用意し、問題がないか確認しました。前年にお試し受験をしたときにエアコンが効いていて寒かったので、脱ぎ着できるものを2枚用意して温度調節は特に気をつけました。

 

本試験当日

試験会場に到着したら、緊張を解くために、会場の周りを散歩したり、廊下で軽くストレッチしたり、他の受験生の様子を観察したりしました。緊張が和らいだら、松本先生の直前期のヤマ当てのレジュメやテキストを読んで過ごしました。リアリテキストはお守りとして、1番薄い供託法・司法書士法を持って行きました。

午前科目は順調に終わり、2回見直しをしても30分程時間が余りました。全くわからない問題がありましたが「これはみんな分からないやつだ」と思って全く焦りませんでした。

昼休憩はおにぎりを2個と缶コーヒーを摂りました。昼食後は机で10分仮眠した後、歯磨きとストレッチをして目を覚まし、レジュメを眺めて過ごしました。

午後は最後まで不安があったので、始まる前はとても緊張して胸がバクバクと鳴って手も震えていました。択一はマークの見直しを含めて予定通り60分で終わりましたが、不登法記述の問題を何度も読み返してしまい70分かかってしまいました。更に名変を落とすという大失態をしてしまいました。しかし、択一で上乗せに余裕があったことと名変以外は大きなミスがなかったことが幸いし合格することができました。

 

自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

明確な達成目標(「4月頭までに講義を全て受講し終える」「4月から7月までにテキストを5周する」等)を立て、その目標から逆算して学習スケジュールを必ず立てるようにしてください。引っかかる論点などがあっても立ち止まらず前に進み、設定したノルマは必ず完了させる「完了主義」になることが重要です。

睡眠時間を削ると体調を崩したり記憶の定着に悪影響が出るので、できるだけ睡眠時間以外から時間を捻出することをおすすめします。ウォーキングやストレッチなど適度な運動もできるだけ行ってほしいです。とにかく体調には気をつけてください。

記述はとにかく慣れが必要なので、直前期は本試験形式の問題演習を増やすべきだったと反省しています。

私は本番でとても緊張してしまったので、模試を受ける際は「これは本試験だ」と思い込んで受験した方がよかったと思います。

直前期に「合格できなかったらどうしよう」と不安になったら、「落ちた時のことは本試験が終わってから考えよう」と開き直ってみてください。私は雑念が減って勉強に集中できました。

 

後進へのメッセージ

覚えたはずのことを忘れるたびに「自分は記憶力が悪い」と嫌になってしまうかもしれません。でも、合格者もみんなそうです。2、3回テキストを読むだけで記憶できる人なんてほとんどいません。反復と継続、これに尽きます。

私は模試と答練で、午前択一は最高でも25問取れる程度、午後択一は1回しか基準点を超えることができませんでした。それでも当日までテキストと過去問を繰り返し、本試験では午前32問、午後30問を取ることができました。最後の1週間でも点数は伸びますので、最後まで諦めないでください。

司法書士試験は正しい勉強法を愚直にこなすことで突破できる試験だと思います。松本基礎講座では正しい教材やアドバイスは与えられますので、あとはあなたが実行するだけです。根性論になりますが、最後は自分との戦いになります。本試験日16時まで諦めずに最後まで戦い抜いてください。応援しています!

一発合格者の合格体験記
高校中退→フリーターから一発合格!

H.Tさん

 

はじめに

16歳で高校を中退し、就職せずフリーター生活を続けてきました。将来のことを何も考えずに実家からアルバイトに通う日々を過ごし、20代後半を迎え、そろそろ自立した方がいいのではないかと思うようになりました。そこで、稼ぐ力を身につけるために資格勉強を始めてみたところ、行政書士と簿記2級に運よく一回で合格することができました。このことをきっかけに、より難しい資格試験に挑戦することに興味を持つようになり、そこから様々な資格試験と講座について調べていたところ、リアリスティックに出会いました。「テキストでアウトプット」という勉強法にとても惹かれ、司法書士試験に挑戦することに決めました。

 

私のとった勉強法

択一対策について

講座開講前から、民法先取り受講で対策を行いました。これは、令和4年度17位合格の伊藤さんが、辰已のYouTubeでお話しされていた勉強方法を参考にさせていただきました。伊藤さんは、民法先取り受講を利用して早くから勉強を始め、お試し受験で民法20問中19問取るまでに実力をつけたということでした。私もそれを目標にし、民法先取り受講特典が利用できる令和5年1月より勉強を開始しました。講義を聞きながらテキストに書き込みも行い、講義を聞き終わった後は、お試し受験までテキスト回しを繰り返しました。

テキスト回しをする上で、記憶しなければならない箇所はアウトプットするということを徹底しました。テキストのページを紙で隠し、紙をずらしながら、赤や緑の下線が書かれた結論部分を思い出そうとしながら読み進めました。

「テキストでアウトプット」は、松本先生の推奨されている勉強方法ですので、リアリスティックテキストはアウトプットしやすいように工夫して書かれています。「〜の可否」という見出しや、本文中で「〜の要件は以下の3つです。」のようにわかりやすく問題形式になっている記載も多くあり、そこで止めて結論を思い出そうとすることで、知識をアウトプットできます。

しかし、まとめ本や問題集ではなく、あくまでもテキストなので、全てが問題形式で書かれているということではありません。ですが当然、問題形式になっていない箇所も記憶する必要があります。そこで、具体的な問いになっていない見出しにも、鉛筆書きで問題を加えたり、空いているページに自作の問題を書いたりして、全ての知識をアウトプットできるようにしました。例えば、「遺留分の意義」という見出しが書かれた箇所に「特定財産承継遺言や相続分の指定も、遺留分の侵害になる?」のように具体的な問いを加えることで、心が折れることなくテキスト回しができました。たしかに、具体的な問いになっていない見出しで止めてどのような論点があったか?というところから思い出す方が、より実力がつくかもしれません。(松本先生も見出しの文言にすごくこだわってデザインしていると仰ってましたので、それに書き加えたりするのもナンセンスかなとも思いました。)しかし、そのような高いレベルのアウトプットは負担が重く、そこで止まってしまったので、どこまで考えればいいかがわかりやすく、止まらずにテキスト回しができる仕組みを作りました。

このような方法で民法のテキストを6回回して迎えたお試し受験では、民法20問中17問正解しました。この経験から、自分のやり方は間違っていないと確信することができ、その後の他の科目においても同じような方法でテキスト回しを行いました。

 

記述対策について

記述の対策は、主に問題演習になりますが、程よく大雑把に行ったことが効果的だったように思います。記述の講義が始まった頃、講義の内容を全く理解できませんでした。当時は不動産登記法・会社法商業登記法のテキストの復習がほとんどできていなかったからです。そこで、テキストの復習を3〜4回行い基本的な知識が身についた頃、記述の講義で扱った問題を解き直すだけでなく、講義を再視聴していました。改めて講義を聞き直すと、内容が分かるようになっていたので、実力がついていることを感じられ、これからも再視聴を続けようと考えていました。しかし松本先生に相談した際に、そのような勉強方法についてご指摘を受けました。

「直前期に記述の講義を聞き直しても、あまり点数に繋がりません。解いた問題の解答を読んで、全く意味がわからないという状態でなければ、それ以上解説を読んだり講義を聞き返したりする時間を使わないでください。」

このアドバイスを頂いて以来、点数に繋がる時間の使い方をより強く意識するようにしました。直前期は毎日記述の問題を解くようにしましたが、自分の答案と解答を見比べる時間は5分も使わず、特に不動産登記法については、申請する登記の大枠が合っているかだけを確認するだけにしました。「ディテールはテキストで覚えよう。」と割り切って、添付書面などを細かく添削する作業に時間を費やさず、その分テキスト学習に時間を使えたのが良かったです。

 

インプット段階

直前期に入る前まで、平日は6時間ほどの勤務時間でパートの仕事をしながらの勉強期間でした。勉強時間は、平日は3時間、休日は7時間ほどでした。

休日はその日の気分でやることを変えて、スターバックスで勉強したり、運動不足対策のために散歩に出かけたりしましたが、平日のルーティンはガチガチに決めました。通勤の電車内でテキストを読んで予習し、出勤の2時間半前には職場に着いて、就業時間まで講義を聞きました。講義のない日は過去問を解きました。また、昼休みも30分勉強時間にしました。帰りの電車では講義の音声データを聞き流すようにしました。(最初は申請書の音声データを聴こうとしましたが、電車内など雑音の中では聞き取りにくいことがあり、また疲れて集中力が落ちている状態では全然頭に入りませんでした。講義の音声データにするとよく聞き取れたのでそうしました。)帰宅後も少しは勉強することが多かったですが、22時半には就寝するように決め、夜遅くまで勉強することはありませんでした。できるだけ早く寝て、睡眠時間を確保しながら早起きすることを心がけました。

 

アウトプット段階

2月いっぱいで仕事を退職して専業受験生になったことで、時間的な余裕を持つことができたこともあり、カリキュラムどおりに講義を最後まで聞き終わりました。スケジュールとしては問題なく直前期に入り、最後の講義で配布された「直前期リアリスティックマニュアル」のモデルスケジュールと同じように勉強を進めていました。

しかし5月末頃からは、会社法・商業登記法に比重を置いたスケジュールにアレンジしました。その時点での模試や年度別過去問において、会社法でも商業登記法でも3問しか取れないようなことがあったため、松本先生からも「6月、7月は会社法・商業登記法をより多く回しましょう。他の科目の復習が不十分なまま本試験に行くことになっても良いです。」とアドバイスを受けました。それから他の科目を回す回数を減らし、マイナー科目はAランクの論点に絞り、浮いた時間を会社法・商業登記法のテキスト回しに充てました。また、毎日1問解いていた記述の問題も、3日のうち2日は商業登記の問題にしました。

かなり会社法・商業登記法にリソースを割いて対策しましたが、簡単に得意にはならないのが現実でした。最後に模試を受けた6月16日の時点では、会社法6問、商業登記法6問と、全く安心できない結果でした。さらにその模試は他の科目の復習はほとんどできないまま受けたため、午後択一は16問しか正解できませんでした。しかしその後も本試験まで、会社法・商業登記法の勉強を最優先にすることは続けました。私自身「会社法分野に強い司法書士」という将来像に漠然とした憧れを持っていたこともあり、会社法・商業登記法と心中するつもりでテキストを回し続けました。

 

本試験当日のこと

本試験までに4回の模試を受けましたが、本試験当日が最も高得点でした。それどころか直前期に解いた直近5年の年度別過去問を含めても本試験が最高の出来でした。本試験で良い結果を出せた要因は、直前の会社法・商業登記法の追い込みが奏功し、会社法9問、商業登記法8問全て正解することができたことです。また、民法について講座開講前から準備していたことも大変助かりました。直前期は2回ほどしか民法のテキスト回しができませんでしたが、先取り受講で蓄積した知識で、本試験の民法は18問取ることができました。

なお、松本先生のアドバイス通り、本当に他の科目の学習が不安な状態で本試験を迎えましたが、なんとかなりました。不動産登記法の記述では「保障委託契約による求償債権」と記載しなければならないところを正しく書けないほど、基本的な知識にも抜け漏れがありましたが、大枠が合っていたため、足切りになってしまうこともありませんでした。

 

後進へのアドバイス

私はこの試験において、午後科目で非常に苦労しました。本試験までに受けた模試の午後択一の成績は以下です。

1回目:18問

2回目:19問

3回目:23問

4回目:16問

特に4回目は6月16日の辰已の模試でしたが、「最後の模試で16問は酷すぎる!」と滅茶苦茶焦った記憶があります。その後、必死で商業登記法を得意科目にし、3週間後の本試験では27問取ることができました。怒涛の追い上げで命拾いしましたが、そもそもなぜ午後科目でこんなに苦戦したのかについて考えて、お伝えしたいです。

不動産登記法の講義の途中(根抵当権あたり)から、指定された過去問が終わらなくなりました。この時期の具体的な勉強時間の使い方は、①講義を聞く→②講義で扱った箇所をテキストで復習せずに、指定された過去問を解く→③過去問が終わらないまま次の講義の日になり、講義を聞く→④週末に残った過去問をまとめて解く、、、というのを繰り返しました。過去問の解き方については、テキストの復習をせずに、よくわからないまま過去問を解いていたため、とりあえず問題を読みながら線を引いて、答えを見るという作業をしていました。また、会社法・商業登記法、午後マイナー科目へと講義が進むと、不動産登記法のテキストを開いて復習することもありませんでした。

この時期の過ごし方が良くなかったと思います。まずは、講義が終わった直後にテキストで理解重視の復習をするべきでした。その時間を取らなかったため、過去問を解く時間が実力に繋がりませんでした。また、解く過去問の量を減らしてでも、会社法・商業登記の講義の途中で不動産登記法の復習をしたり、午後マイナー科目の講義の途中で会社法・商業登記法の復習をすることができれば、より良かったと思います。今自分がタイムスリップして、不動産登記法の講義のころの自分にアドバイスするとすれば、①講義を聞く→②講義で扱った箇所をテキストできちんと復習→③週末に、指定された過去問のうち「マスト過去問」に絞って解く、、、のような勉強にしろと伝えます。

上記のように、午後科目では苦労しましたが、午前の刑法と憲法は、直前期の模試などでも比較的良い点数を取れていました。3月から専業になったことで刑法、憲法の講義の時期は時間的に余裕があり、講義前の予習や講義直後の復習の時間をきちんと取ることができたのが要因です。また、講義で聞いた知識を忘れる前に直前期のテキスト回しで復習できたため、知識の定着も早かったと考えます。やはり、講義でインプットした知識をできる限り短いスパンで復習することが効果的でした。

 

最後に

まずは松本先生にお礼がしたいです。本気の熱量を込めて講義される松本先生の姿に憧れ、その気持ちで勉強を続けられました。常にプロフェッショナルな態度を見せてくださりありがとうございました。リアリスティックのように、人の人生を変えられる仕事を自分もできるようになりたいです。

また勉強をサボりたくなったときはいつも、合格者の方々がお話しされている、辰已のYouTubeを見るようにしていました。フルタイムで働きながら合格された方や、育児と勉強を両立して合格された方の言葉を聞くと、身が引き締まる思いになりました。かっこいい背中を見せてくださった先輩合格者の皆様にも感謝申し上げます。

一発合格者の合格体験記
予備校に恵まれて勉強に集中し一発合格!

S.Sさん

 

はじめに

学生の頃から司法書士という職業は知っておりましたが、試験の難しさゆえに最初から諦めていましたが、社会人3年目あたりから人生このままで良いのかと考えるようになり、司法書士試験に挑戦しようと決意しました。

いつかは自分の看板を背負って仕事をしたいという気持ちがあり、勉強をしていくうちに司法書士になりたいという気持ちがだんだん強くなっていきました。

最初のお試し受験では講義の進んでいる民法だけはしっかりと点数をとるつもりで受験して、9割正解することができたことが自信にもなり翌年の試験で合格することができました。

令和5年の7月から司法書士事務所で勤務を始め、所長の提案により週3日間勤務で残りは試験勉強をさせてくれ、直前期の3ヶ月は試験休みもいただいて試験勉強に集中できる環境も整えて下さりました。家族、職場、予備校に恵まれて勉強に集中することができたことにより短期合格できたと思っております。

 

私のとった勉強法

大学受験、公務員試験、宅建試験といくつかの試験を受けてきましたが、すべてに共通すると考えていたことは合格に必要な知識だけを勉強することです。合格に必要な知識だけを勉強し最短のルートで合格に導いてくれるのが予備校であるため、予備校で習ったこと以外は知識として取り入れないこと、講師の指示に従った勉強をすることを心がけて取り組みました。

リアリスティックの受講した理由はYouTubeで予備校の情報を調べていると松本先生の「2000時間で合格できる」という内容の動画を視聴して松本先生についていこう!というきっかけとなりました。多くの松本先生の動画をみたり、無料講義などをみてテキストに線を引いたり色分けをしたりしており、私に合っているのではないかと思い松本先生の講義を受講して15か月で受かるぞ!という気持ちになりました。

 

択一について

午前の試験は時間があるため、30点以上を確実に取れるように知識を固めました。民法に関しては取り組みやすく、多少難しく思うところもありましたが、理解に苦しむということはありませんでした。民法先行学習からお試し受験までにテキストを7周読み込みました。

1番の壁は会社法でした。今まで学んだことがなく講義にもついて行けない状況が続き、全く理解できないところも多く、3時間の講義を4時間以上かけてみることがほとんどでした。過去問もだんだん手をつけてられていない数が多くなり、3つ前の講義の過去の過去問を解いても全く解けなくて思い切って過去問はいったんやらずにテキストを回すことに集中しました。講義プラス1回テキストを回したところで少し理解してきたところで、手をつけていなかった過去問を始めました。この時期が直前期の4月頃でした。一度理解しはじめたら一気に知識が定着し始めました。結局、会社法に関しては過去問はCランクの箇所など一度も解いてない過去問もありました。過去問の前半はマスト過去問2回ほど解きましたが、後半はマスト過去問1回しか解くことができませんでした。多くの受験生が会社法に苦戦するかと思いますが、何度もテキストを読んでいるうちに理解するときがやってきます。

会社法の次に苦しんだのが不動産登記法でした。問題もすべての知識を知っている前提での出題が多いです。総論部分に関しては最初は全く理解できませんでしたが、これも会社法同様に3周目あたりから少しずつ理解できました。

不動産登記法と会社法さえ乗り越えればマイナー科目は難しくはあるものの乗り越えることができるはずです。

 

マイナー科目について

まずマイナー科目は年明けから始まり、時間も無いためCランクは講義以外はほとんど勉強しておりません。マイナー科目については過去問を重視しました。直前期の5月の後半ごろから民事訴訟法以外は4回ほど過去問をといて試験当日まで記憶が新鮮なまま試験に臨むという作戦でいきました。

テキストについては民法9回(内直前期2回)、不動産登記法8回(内直前期6回)会社法・商業登記法8回(内直前期6回)、民事訴訟法6回(すべて直前期)、その他6回(すべて直前期)

テキストの読み方はもちろんただ読むのではなく理解しようとして読み、アウトプットできるところはやりました。何回も読んでいるうちに自分の苦手な分野もわかってきますので、既に理解記憶している箇所とそうではない箇所を強弱をつけて読み込んでいました。

また、勉強をしてみて直前期にテキストを5回以上回すことができれば合格レベルに達することができるのではないかと思いました。

 

記述対策について

申請例のひな形の記憶に関して、不動産登記法は特殊なもののみを声に出して覚えることをしました。※例えば「目的:1番抵当権を所有権全部に及ぼす変更」、「目的:1番根抵当権の根抵当権者をAとする変更」など、そのほかのスタンダードなものはテキストを何度も読んでいるうちに自然と覚えているという感覚でした。また、書いておぼえるということはしておりません。声に出して言うことができれば書くこともできるからです。商業登記に関しては不動産登記よりも「登記すべき事項」の文言が長いものが多いので、覚えにくそうなものは1枚の紙に書いて10回連続で読み上げるなど口に出して覚えておりました。(10回読み上げても2~3分で終わります。本試験形式も問題は1問10ページ以上のものが多いですが、毎年でてくる決まった注意事項などをできる限り高速で読むことで、必要な情報を読み解く時間に使えます。私の考えでは今後の試験に関しては午後は択一50分以内で解き終えて残りは記述にあてるべきだと感じました。

 

直前期で順位は入れ替わる

松本先生は、直前期にテキスト5回読み込むという直前期計画を推奨します。

直前期にテキストを5周することに意味があると考えます。

半年前に5周するのとでは記憶の新鮮度が違います。また、2000時間で合格レベルに達する事ができるといえど、時間の使い方も重要であります。半年前の3ヶ月間で800時間、直前期に500時間よりもその逆の方が記憶の新鮮度にも違いが出ます。

そのため、直前期の3ヶ月は仕事は人それぞれ家庭環境、職場環境など違いがあると思いますが、出来る限り試験勉強に費やす時間を確保することが大事だと考えます。

また、直前期は知識の詰め込みと試験当日に知識をピークに持っていく作業的なものが必要となります。私の場合は試験3日前にテキストの6回目を終えて、残りの日はマイナー科目や苦手分野、予想講義で出題予想された箇所の見直しなどをしながら体調管理に努めておりました。

 

答練、模擬試験の活用

答練は午後の回すべて、午前は4回中2回ほど受けました。ほかの予備校の答練、模試は受けておりません。試験時間を意識して解きました。最初の方は記述の不動産→商業の順で商業の裏面まで書ききることができなかったりしましたが、記述の問題演習をこなしているうちに読み解く速さはあがっていましたが、6月の最後のほうまで時間ギリギリだったり、書ききれなかったことがありました。択一の問題に関しては点数はやはり気になりましたが、低い点数をとっても落ち込まないで前をむいて勉強し続けていくことが大事だと思います。私は6月の模試で午後科目の択一で19点をとってかなりへこみました。その時ちょうど解説講義かYouTubeで「1度くらいは問題の相性とかでズタボロの点数をとることがあるかもしれない。」とあり、落ち込んでいる私にとっては励ましの言葉を聞き、すぐに切り替えて勉強に集中しました。

 

試験直前~当日

試験2週間前頃から毎日プレッシャーに押し潰されそうになりながらの日々でした。特に就寝前に不安な気持ちになる事が多く、熟睡できない日々が続きました。

試験当日は会場入りまでは不安はあったものの、いざ試験が始まると緊張している場合ではなく、ただただ試験に集中しておりました。

午前が終わったときは、30点以上はあるだろうという手応えがありました。

休憩時間は近くの公園で散歩して着席時刻の20分前ほどからマイナー科目の苦手な場所をさらっと見返して午後の試験に臨みました。

午後は松本先生のアドバイス通り供託法から遡って民事訴訟法までを解いて不動産登記法からは問題順に解きました。スピードを意識しすぎて雑に解いている自覚があり、不安になりましたが、そんなこと考えている時間もないので、そのまま解き進めました。択一は40分ちょっとで解き終え、記述に入りました。答練、模試では不動産登記から解いてましたが、今年は20ページあり、やばいと思ってとっさに商業登記から解きました。商業を60分で解いて残りは不動産登記に時間をかけました。結果としてこの時間配分は正解だったと思いました。3分前に不動産も書き終え、問題の見返しよりもマークミスのチェック、名前、受験番号を書いているかに時間を使いました。

試験が終わった瞬間はやり切った感がありました。午後択一に多少の不安はありましたが、たぶん受かったかな。という気持ちはありました。

 

試験勉強にあたり

4歳の双子がいる中、この1年半は家事育児はほとんど妻に任せ家族にもつらい思いをさせました。年末あたりに妻が仕事、家事育児に疲れ切っている中、2~3年かけて勉強してもいいのではないかという話にもなりましたが、「絶対今回で受かるから!受かったら週末はたくさん出かけよう!」と妻と決意しました。また、所長をはじめ事務所の皆様も応援してくださり、直前期に3ヶ月も試験勉強休みをくれて、私としては家族のためにも職場のためにも絶対にこの試験で受かるという気持ちでいました。家族と職場の皆様には感謝しかありません。そして松本先生の講義、テキストと相性があったため、受かることができたと思っております。

 

最後に

会社法や不動産登記法など勉強に関して難しくて理解できない。などの壁に当たったことは何度もありましたが、諦めようなどマイナスなことを思ったことは一度もありませんでした。絶対に今回の試験で受かるとしか思っておりませんでした。学生の頃始める前からあきらめていたこの難しい司法書士試験でも、自分を信じて絶対1回でうかると思い続けて日々勉強し続けることが大事です。

しかし毎日勉強しているのもつらいので、時には息抜きも必要です。私は朝9時から勉強しておりましたが、今日は17時まで勉強して家族とドライブ、外食に行くぞ。などとうまく息抜きリフレッシュをしながらモチベーションを維持してきました。

私がこの試験で特に重要と感じたのは、1.気持ち 2.環境 です。勉強時間と絶対に一発で受かるという気持ちさえあればたとえ1発で受からずとも短期合格はできます。

環境については人それぞれ違うと思いますので、できる限りでの時間の確保をするべきだと思いました。

皆様も司法書士になるという強い気持ちがあれば絶対に合格できます。将来、一緒に司法書士業界を盛り上げていきましょう。

一発合格者の合格体験記
公務員からの転職決意で一発合格!

T.Nさん

 

はじめに

公務員として法律を扱う仕事をしていく中でもっと自由に自分の力で仕事がしたいと思うようになり転職を決意しました。様々な転職先がある中、これまでの経験を活かせる仕事は何か考えた時に法律系の仕事しかないなと思い、その中で司法書士を受験しようと思ったのは受験資格が不要で合格後の就職が比較的容易であること、社会的信用性が高く、仕事の幅も広いため自分が望む働き方ができるのではないかと思ったからです。

受験期間はできるだけ短くしたかったので、独学よりプロに教わったほうが早いだろうと思い予備校の講座を受講することに決めました。数ある講座の中で松本先生の講座を受講しようと決意した理由は以下のとおりです。

①講師自身が毎年受験をしていて試験問題の分析をきちんと行っていたから

②使用しているテキストの執筆を講師自身が行っており、各論点における結論に至る理由付けがわかりやすく記載されていたから

③テキストに記載されている情報量が充実しており、レイアウトも見やすかった(索引部分が条文、判例、先例、登記研究からも検索できるようにされていて執筆者の高い熱量を感じた)

④YouTubeで公開されている民法等の講義を受けてみて、声も聞き取りやすく、直感的にいいと思った

私は令和4年10月から20ヵ月合格コース(現ロングスタディコース)の受講を始め、当初は仕事をしながら受験しようと思っていましたが、令和6年1月頃に引っ越しを伴う距離の転勤を命じられてしまい、かなり悩みましたが退職を決意し、3月からは専業で勉強を行ってきました。ここで仕事をやめていなければ合格できなかった可能性があるため、今となっては決断してよかったと思っています。

 

私の取った勉強方法

全般

私は勉強する時にipadを利用しており、勉強開始前の準備として、教材をカッターですべてばらばらにして、スキャナでpdfにしてipadに取り込みgoodnoteというアプリに貼り付けて勉強していました。前職で電話や窓口応対をしていてわからないことを調べる時に電子化した専門書を特定のキーワードで検索して調べるやり方を取り入れて仕事にかかる時間をかなり削減できたので試験勉強にも応用してそのようにしていました。

また、勉強は基本カフェやコワーキングスペースで行っていたのですが、周囲の雑音をカットして集中状態を作るために強力なノイズキャンセリング機能の付いたワイヤレスイヤホンをつけてお気に入りの音楽を聴きながら勉強していました。結果的に毎日中身の濃い勉強ができた気がします。

最初は講義の進捗にあわせて進めていこうかとも思いましたが、それだと遅すぎると感じて、講義がアップされた日には講義の動画を見る、それ以外の日にはテキストも過去問もどんどん進めていくというやり方で勉強していました。

平日は仕事があったためあまり勉強できていませんでしたが、朝早く起きて少しテキストを読んだり、自宅と職場の往復の時間に講義の音声データを聞いたりしていました。ただ、あまりやる気が起こらずせいぜい1時間から2時間程度しか勉強していませんでした。その代わり、土日は10時間以上勉強するようにしていました。

 

択一対策

テキストを読み進めていき、ある程度進んだら該当箇所の過去問をやるというやり方をとっていました。

趣味でTOEICを受験していて、また公務員試験の受験経験上1度に大量に読んで、復習の頻度を高めることが記憶の定着に有用であることはわかっていたので、勉強最初期はテキストを進める時は1週間で1周(例えば民法なら1週間で3冊全部読む)、過去問を解くときは1回あたり100問程度を目標にしていました。序盤はそこそこ頑張っていましたが、講座が進む毎にきつくなり、あまり目標通り進まなかった気がします。

また、会社法だけは辛くてしょうがなく、松本先生の講義を受講していなければここで挫折していたのではないかと思います。講義全般について言えることですが、抽象的でわかりにくいポイントについて松本先生が具体例を交えてわかりやすく説明し、また、様々な小話を挟んでいただけたことで手続きのイメージがしやすくなり知識の理解にとても役立ちました。

直前期についてはテキストをやる日は1日600ページ以上、過去問をやる日は1日200問以上を目標にやっていました。その日の体調や気分で思い通り進まない日もあり苦戦しましたが、割と目標通りできたと思います。

結局最終的に主要科目についてはテキストは30周近く、過去問は20周程度(直前期はテキストを中心にしていたので過去問をあまりやっていませんでした)、マイナー科目はテキストも過去問も15周程度はやったと思います。

直前期の答練模試ですが、私は辰已のものだけを受講して他の予備校は利用しませんでした。理由としては私が答練模試について求めていたのは時間内に解き切るための技術の訓練と苦手なポイントのあぶり出しであり、他の予備校を利用する必要性を感じなかったからです。実際辰已の答練模試は問題がよくできており、いい訓練になったと思います。

 

記述対策

講座を受講し始めて約1年経ったあたりで初めて記述の講義がアップされたのですが、全く問題が解けず、こんなに勉強しているのにこのざまかと、自分自身の出来の悪さに絶望して泣きそうになったのを覚えています。記述のとっかかりとしては講座の問題はレベルが高くてきつかったので、リアリ記述式基礎編のテキストを別途購入し、講座と並行して解き進めました。また、ひな形集の暗記を徹底的に行い、テキストの周回数も合わせると最終的には100周くらいした気がします。基礎編の問題集を10周したあたりでなんとなく記述の問題が解けるようになってきて、そのタイミングで再度講座で提供されている問題を解きなおしてみたら、どの問題も7~8割くらい解けるようになっていました。講座の問題も最終的には10周近く解きなおしました。できるようになってきたなと感じたのは本試験の2か月前くらいからでした。

答練模試についてですが、解ける時と解けない時の差が激しかったです。できない時は5割くらい、できる時は9割近くいくときもありましたが、結局記述については運ゲーの要素が強いなと感じました。

 

本試験当日について

試験会場のそばのホテルに前泊したのですが、緊張から2時間ほどしか眠れず、体力がもつか不安になりました。試験会場には集合時間の1時間ほど前に到着しましたが、既にかなりの人だかりができていて、人混みが嫌いな私にはとてもしんどかったです。

自分の席に着席してから試験が始まるまでも緊張が続いていましたが、自分の勉強量がこの会場にいる人たちに負けているはずがないと思えるほど努力してきた自負があったため、不思議と不合格になる気はしませんでした。

午前の試験が開始して3問目くらいまで緊張で頭が真っ白になり、なんだかふわふわした感じでしたが、問題を解き進めていくにつれ集中が高まり、自然と緊張も消えていきました。午前の試験時間が終わるまでにすべての問題を3回ずつチェックしたのですが、35問中32問は確実にあっている自身があり、残り3問については2択で迷う問題2問と全然わからない問題が1問ありました。難易度がかなり易しいと感じたため、基準点が30点超えるのではないかと思い、満点とらないとやばいなと思った記憶があります。結果的に33問正解で、2問落としたのが悔しかったです。

午後の試験についてはまったく緊張することもなく受けることができ、択一を45分程で解き終わり、残りの時間を記述に充てることができました。商業登記の記述を解いている時に前日からの緊張のせいかやたらと疲れてきて、重要な情報をひとつ見落としてしまい、意味がわからなくなり若干パニックになりましたが、松本先生が記述でわけわからなくなったら全部登記可にして提出してくださいといっていたのを思い出し、とにかく手を止めることなくペンを走らせました。途中握力がなくなってきてペンを床に落とすハプニングもありましたが、なんとか終了2分前に書ききることができました。結果択一は29問正解、記述は100点でした。

ここ数年の合格最低点を見ている限り8割取れていればまず間違いなく合格できるだろうと思っていたため、択一180点、記述100点を目標に勉強をしてきたのですが、帰宅してから自己採点をしたところ択一は目標を超えており、記述も全体でみれば7割は取れているだろうなと思ったので、とりあえずほっとしたのを覚えています。

 

最後に

試験の直前期に松本先生が独自に分析された記述の採点基準の資料を見て、この人を選んだのは間違いじゃなかったと改めて実感しました。やはり試験に関してはその道のプロに学ぶのが一番だと思います。

試験勉強を続けていく中で辛い場面は幾度となくありましたが、この先生を信じて突き進めば必ず合格できると思い愚直に取り組み続けた結果、一発で合格することができました。

リアリはテキストの分量も多いですし、最後までやり続けるには相応の努力が必要ではありますが、その努力をぶつける価値のある教材ですので信じて突き進んでください。

そして合格を勝ち取ってください。最後になりますが松本先生本当にありがとうございました。

一発合格者の合格体験記
フルタイムで働きながら総合13位で一発合格!

Y.Tさん

 

はじめに

私が司法書士試験の勉強を始めたきっかけはごく単純なものでした。社会人になり、ある程度落ち着いた段階で「何か勉強がしたい」と思ったことです。大学院への進学、簿記やUSCPAなどを取得する。様々な選択肢がある中で、社会人としての自身の付加価値を高めることができるものを考えた時に、どうせなら難関と呼ばれる国家資格にトライしようと思いました。大した下調べをせずに、難関国家資格である司法書士試験を選びました。非法学部出身であり、宅建や行政書士の資格も保有していないのにも関わらず、いきなり司法書士試験を受験するという大胆な決断ができたのは、この試験についてあまり知らなかったからだったと思います。2021年10月の末にリアリスティック受講生になり、私の受験生活が幕を開けました。

 

私のとった勉強方法

私はリアリスティック基礎講座の20ヶ月コース(現在のロングスタディコース)2023年合格目標を受講しました。週に2回授業を受ける受講スタイルで、フルタイム兼業受験生の私にとっては1番合っていたと思います。授業1コマを試聴し、出された課題をこなすのに合計7時間要します。それを週に2回行っていたので授業とその課題に当てる時間は週に14時間、それ以外の時間は追っかけ復習に費やしていました。週に平均で30時間から40時間程度勉強できていたかと思います。月の勉強時間は150時間から170時間程度でした。仕事があり、1日30分しか勉強できない日もありましたが、必ず週のどこかで帳尻合わせをし、週の勉強時間に波を作らないような工夫を行っていました。

 

私のとった勉強方法(択一編)

私の択一式の勉強方法は、テキストが中心でした。直前期までの期間は知識を取りこぼさないように時間をかけて、丁寧にアウトプットしながら、テキストを回していました。直前期に入るまでに全科目の8割は記憶し終えていることを目標としていました。

また、テキストを3回程度回したタイミングで辰已の択一アプリも勉強に取り入れていました。択一アプリを活用した理由は2点あります。1つめに「問われる知識の角度の確認」2つめに「反射神経を養う」ことです。テキストに記載されている知識を言葉を変えて問われた場合でも、分かるように練習するためには最適のツールでした。また、問題のフレーズを見た時にすぐに答えを想起できる反射神経を養うことができたと思います。

勉強用のiPadを持っていたので、アプリを移動中や仕事の休憩時間など隙間時間に活用していました。

直前期に関しては、とにかくスピードを重視していました。司法書士試験はタイムアタックな試験なので、読むスピードや書くスピードは常に意識した方が良いと思います。直前期は主要4科目に関してはテキストを15回、マイナー科目に関しては10回程度回していました。過去問も主要4科目は5回、マイナー科目は10回ほど回しました。直前期にもなると、会社法・商業登記法のテキストは2冊を9時間で回せるようになっていました。

また、通勤時間や支度をしている時間、食事の時間に関しては不動産登記法及び会社法・商業登記法の授業を2倍速で聞いていました。食事をしている時間や通勤時間などの細切れの時間は目を休め、音声学習を行うことで、身体への負担を考慮していました。

 

(記述編)

択一は同じテキストをとにかく繰り返し、知識の精度を上げることが目的だと思いますが、記述は野球のバッターと同じで、どんな変化球が飛んできても対応できる力を身につけなければいけません。その為、私は同じ問題を繰り返し解くよりかは、より多くの記述の問題に触れることを戦略として打ち立てました。もちろん、リアリスティックの記述の授業で扱う問題は3周はしました。それ以外にも記述の過去問、答練、市販の問題集、模試などをかき集め、60パターン以上の問題に触れました。

また記述試験における思考パターンや、問題のパターン、ミスしやすい箇所をエクセルにまとめてストックしていました。そのエクセルのシートは答練や模試の前に20分程度かけて見直していました。エクセルでまとめていたのは、アップデートしやすい為です。

 

模試や答練の活用

模試は直前期に3.5回、答練は全て会場受験をしました。(1回だけ午後のみ会場受験をしたので、それを0.5回とカウントしています)模試に関しては全予備校の模試を合計8回分申し込み、どれを受けるかは直前に決めようと思っていました。予備校ごとに模試は傾向があるので、偏りをなくしたかった為です。また、直前期になってみないと「演習不足」なのか「インプット不足」なのかが分からなかったので、リスクヘッジの為にも全て申し込みました。

答練は辰已の答練を毎週会場受験していました。答練はペースメーカーになるための受講をお勧めします。

模試や答練はフィジカル的にもきつく、受験生の勉強時間が相対的に下がる日だと思います。私は人が勉強していないタイミングで戦力を全投下させる戦略だった為、答練や模試の日こそ人より多く勉強しようと思っていました。答練・模試の日は朝4時に起床し、7時前には会場近くのカフェなどで苦手な科目のテキストを回していました。毎回模試や答練ではA判定を出そうと思い、全力で挑んでました。そのおかげか、全ての模試と答練でA判定を出すことができていました。

また、模試や答練ではありとあらゆるシチュエーションを想定し、本試験でどんなイレギュラーが起きても対応できる力を養うことを意識していました。

 

受験期の心境の変化

受験期初期、私は見切り発車した自分自身に苛立っていました。働きながら月150時間以上の勉強時間を確保することの難しさ、プライベートでは小さな諦めを繰り返す毎日にうんざりでした。調べれば調べるほど、司法書士試験の難しさを突きつけられる情報が目につき、1万時間勉強した、合格まで10年かかった、人生を無駄にした。様々な声に、泣き出したくなるような焦燥感を感じ、その現実から逃げ出したいと何度も思いました。それでも、勉強を続ける事ができたのは、紛れもなく意地とプライドだったと思います。自身の誇りを絶対に失ってはいけないと、がむしゃらに勉強していました。

受験期中盤、働きながら勉強することが私のライフスタイルとして確立していました。仕事で辛い思いをした日も、プライベートで気が滅入りそうな出来事があった夜も、1日も欠かさず勉強するようにしていました。もはや、私にとって勉強は仕事の一つでした。義務的にただ淡々とこなすことが出来ていました。それでも、「疲れた」「眠りたい」その感情を押し殺して机に向かうのは、中々に大変でした。眠い日はキンキンに冷えた水を浴びて目を覚ましていました。目を覚ますために、コーヒーを1リットル飲んだ日もあります。この時期は本当に毎日が泥臭かったです。

受験期終盤、20ヶ月コースの直前期は1月1日から始まります。6ヶ月もある長い長い直前期が 2023年の年明けと共に始まりました。私は12月31日の夜は「禊」として11時間家から出ずに勉強をし、年越しは憲法の統治の条文とともに迎えました。年越し蕎麦もコンビニで買ったものを1人で食べました。あえて自分を孤独に追い込み、「ここまでしたんだ、絶対に6ヶ月後の試験を射止めてやる」という強い気持ちを持ちました。

直前期、強烈に意識していたことがあります。それは、「全国の受験生ランキングで自分の立ち位置を意識し、常に上位を狙い続ける」ことです。模試や答練の順位とはまた別です。毎晩、寝る前に今日の勉強内容や時間、効率性を振り返り、自分自身の全国順位を意識するようにしていました。勉強がうまく行った日は上位に食い込めますが、勉強時間が少なかったり、非効率的な勉強を行なった日には順位は急降下。順位が急降下した日の後には、順位を1位でも上にあげようと巻き返しを図っていました。少しでも休めば、100人くらいに追い越されてしまう。この考え方は時には自分自身を追い詰めるかもしれません。それでも、意識することで毎日を「生き切る」ことができたと思います。

直前期は毎日フルマラソンを全力ダッシュしている感覚に近かったです。

 

戦場を徹底的に分析

試験本番、私は東京受験ではなく地方受験でした。2022年のお試し受験は東京会場での受験でしたが、机の狭さと人の多さ、トイレの混み具合に驚きました。実力を最大限に発揮する為には環境的要因は無視できないので、地方受験を決めました。2022年の受験地一覧リストを片手に、さまざまな会場を下調べし、ホテルが試験会場になっている東海地方を戦いの場に決めました。ホテルが試験会場であれば、そのホテルに宿泊し、昼休みは自室に戻る作戦です。私は、試験会場のホテルに事情を説明し、試験会場から1番すぐに戻れる部屋を5泊抑えました。もちろん、最後の追い込みの5日間を過ごす場所なので日当たりや勉強机の広さなども考慮し、部屋を取りました。そして春には会場に下調べをしに行き、会場を見てそこからトイレまでの近さや、トイレの数、自室に戻るときの動線も確認しました。本当は、本試験のリハーサルも行いたかったのですが、ホテルに問い合わせたところ会場の貸切には莫大な費用がかかる為、諦めました。

 

試験本番

本試験当日は、すっきりとした朝を迎えることができました。会場入りした5日前から睡眠コントロールを行い、毎日同じ時間に起き、同じ時間に寝るようにしていました。最後の1週間は細かいスケジューリングをしていました。前日は、苦手な記述の題材を3本、392条2項の計算問題、遺留分の計算問題、会社法令和元年の改正部分を確認、申請例の雛形の確認、出題予想論点の冊子の確認、最後に全科目テキストを速読で読み返しました。前日は深夜23時にはベッドに入り、朝7時に起床。朝は午前科目の最後のインプットを行い会場に向かいました。模試や答練の日の朝は必ず自分自身のアドレナリンが出る音楽を聞いていました。本試験当日も、いつも通り音楽を聴きテンションをあげて会場入りすることができました。

午前の部は2時間あり、時間的余裕もあるので3回見直しをしていつも通り終えることができました。

午前の部の終了後、すぐに自室に戻りお風呂に入りました。お気に入りの入浴剤を買っていたので入浴剤を入れ、15分程度疲れを癒していました。そして、昼ごはんを食べながら民事訴訟法のテキストを確認し、最後に蒸気でアイマスクをしながら20分程度の仮眠を取りました。午前の部の疲れをリセットできたこの昼休みルーティンは本当に最高の選択でした。午後の部、今年は記述が多かったため、商業登記法記述に入る段階で50分しか残されていませんでした。模試や答練でイメージトレーニングをしていたとはいえ、かなり焦っていました。択一の手応えも大してなかったので、試験中「不合格」の3文字が頭に浮かんでいました。それでも何とか諦めずに書き切ることができました。試験の終了後は満身創痍。机からしばらくの間立ち上がることができませんでした。

 

後進へのアドバイス

この試験はネットの情報にあるような「魔物のように難しい試験」では決してありません。正しい勉強方法、そして正しい戦略を立てれば最短合格することができます。自身を正しく分析し、どの方法がこの試験を倒すための最適解かを導き出せば、あとは走るのみです。多くの方は一人で勉強されていることと思います。全国には皆さんと同じように泥水を啜りながらも、必死に走る戦友がいます。苦しい時に、グッと堪えて前に進む力こそが底力であり、受験生としての強さです。最後まで心を強く持ち、合格まで走り抜けてください。

 

最後に

司法書士試験20ヶ月を振り返ると人生で1番燃えた期間だったと思います。兼業で受験生をやっていると、仕事で勉強時間が思うように確保できなかったり、様々な外的要因に揺さぶられることが多くあり、もどかしい気持ちに何度もなりました。それでも、私はもう一度受験をするなら兼業フルタイムでの受験を決断すると思います。なぜなら、司法書士資格以上のものを得られた期間だったからです。自己管理能力、忍耐力、なんとか形にする力。これらの経験は今後の自分の人生の軸となるような経験でした。また、司法書士試験を通じて、バックグラウンドの異なる素敵な仲間に出会えたことも人生の財産です。最後に、松本先生をはじめとする辰已法律研究所の皆様に感謝の気持ちを申し上げたいです。通信での受講ではありましたが、とても手厚いサポートをして頂きました。辰已を選んだこと、リアリスティックの受講生になったことは、私がこれまでの人生でした最高の決断でした。私を合格に導いてくださり、本当にありがとうございました。

一発合格者の合格体験記
お試し受験なしの一発合格!

M.Kさん

 

はじめに

会社員として勤務する中で、自分の名前で専門性の高い仕事をすることへの憧れと多くの人の役に立ちたいとの思いが強くなり、数年前に退職しました。そこから自分には何ができるのだろうと模索する中で、大学在学中に宅建を取ったことを思い出しました。民法の勉強が楽しかった記憶から、内容的にも時期的にも行政書士を目指すのが丁度良かったので受験を決意し、半年ほど勉強し合格しました。独立開業をしようかとも考えましたが、たまたま勉強開始と同時に実務を学ぶために勤務を始めた司法書士事務所(兼行政書士事務所)で司法書士という仕事を知り、司法書士の仕事に魅力を感じるようになりました。あまり深く考えないまま勢いで受験を決意し、すぐに松本基礎講座(2021年向け)の受講を始めて1年弱勉強したところで妊娠し受験を断念。妊娠~出産~育児の期間1年4か月ほど完全に勉強から離れていましたが、産後半年程経ち勉強への意欲も戻ってきたので、再度松本基礎講座(2023年向け)を受講し、その後1回目の受験で合格できました。トータルで1年10か月の勉強期間でした。勉強期間中に出産し乳飲み子を抱えながらの受験生活はなかなかハードなものではありましたが、むしろ時間の制約があることが自分にとても合っていて、紆余曲折ありながらも最終的には快適な勉強のリズムを確立できたことが合格という結果に結びつきました。

 

私のとった勉強方法

別の予備校の講座を申し込みに行くバスの中で、たまたま松本先生とリーダーズ総合研究所の山田先生との対談動画を見て、「この先生についていけば最短で合格できる!」と直感しました。そこで申し込みに行くのは中止し本屋に向かい、松本先生の『司法書士5か月合格法』を購入し、そのまま高田馬場に行き松本基礎講座を申し込みました。

1回目の受講は若干遅れを取りながらもなんとかついていきましたが、産後の2回目の受講はスムーズにいきませんでした。子どもが生後半年頃で夜中に何度か起きる生活だったのと、産後で脳みそがうまく働かず、1コマ3時間を超える講義を視聴するのがとても苦痛でした。特に会社法・商法・商業登記法が非常に苦手だったのでなかなか進まず、勉強から離れる日が多くなりました。講義の消化はどんどん遅れていき、12月上旬に終わっているはずの会社法・商法・商業登記法の講義は1月中旬の時点でまだ半分ほどという有様でした。すっかり勉強への熱意を失ってしまいもう辞めようかと何度も挫折しそうになりました。しかし家族や受験生仲間からの励ましや、チューターの方からの熱心なご指導と勧めていただいた手帳術の本のお陰で、消えかかった炎に再び油を注ぐことができました。また、大幅に遅れてしまったペースを整えるため、ライブ授業終了後に松本先生に相談に行き、勉強の進め方のアドバイスをいただいてスパートをかけたのが本試験半年前の1月中旬からです。そこからは遅れを取り戻すために1.3倍速で週5~6コマを消化しました。アウトプット重視の復習まで手が回らなかったので、それはカットして進めました。元々指定された過去問のうち、平成20年以前の過去問は解いていなかったので、1月下旬の時点で過去問の残りが530問ほどありました。これを残したまま直前期に入るのはまずいと思い、3月末までに解き終わるようノルマを設定し粛々とこなしていきました。なんとか3月末までに全講義を終え、過去問も全て解き終わり、直前期に突入することができました。4月からは答練8回と他校含めた模試3回を受けました。

 

択一対策について

松本先生の指示に従いテキスト以外に手を広げませんでした。前述の通り大幅に講義の消化が遅れていたので、追っかけ復習は3月末までに主要科目はギリギリ1~2周、マイナー科目に至っては講義終了後のアウトプット重視の復習すらできていない状態で理解・記憶共に全く追いついていませんでした。しかし松本先生からは、「とにかく直前期に入るまでに全講義を終えることが重要だ」と言われていましたし、テキスト読みの回数を重ねれば点数は上がるだろうと思っていたので焦りはありませんでした。直前期にはテキスト回し7周のスケジュールを立て、途中何回か講義終了後に松本先生に相談に行き、答練・模試の成績を元にスケジュールの修正をしました。最終的に民法3周、不動産登記法6周、会社法・商法・商業登記法6周、マイナー科目4~5周をアウトプットしながら回しました。また、アウトプットできなかった箇所はチェックしておいて、翌日に再度アウトプットするようにしました。直前期の過去問は指示通りに1周し、間違えた問題は翌日に再度解き直しました。これを毎日の学習ノルマにプラスして行うのがなかなか大変でしたが、もしこれをやらなかったらなかなか知識が定着せず、合格できていなかったかもしれません。これをやるよう指導してくださったことに本当に感謝しています。

直前期の学習が進む中で徐々に知識が定着していき、答練・模試の点数にも如実に反映されていきました。4月は午前23~26問・午後18~20問しか得点できなかったところ、5月は午前27問・午後26問、6月は午前32問・午後28問まで取れるようになりました。年度別の過去問は6月に入ってから午前午後共に30問を下回ることがなくなり、試験一週間前に解いた令和4年度の本試験は午前32問・午後33問取れたのでだいぶ仕上がってきた実感を得ました。本試験前最後の5日間でテキスト全範囲をアウトプットしながら回しました。一日881ページのノルマでかなり辛かったですが、これをやれば相対的上位に入れると松本先生から聞いていたので意地でやりました。本試験前日もホテルに全テキストを持ち込んで、時間の許す限りやり残しのないようギリギリまで勉強しました。

 

記述対策について

申請例の暗記は早くからやるようにとの指導でしたが億劫でなかなか手をつけられず、本格的に暗記をしたのは直前期に入ってからでした。音声データのシャドウイングはまったくやっていなかったので、直前期の一日のノルマに組み込んで進めました。松本先生の記述の解法で解くのが非常に楽しく、毎回パズルを解いている感覚で最初から苦手意識はありませんでした。指導に従って2回以上間違えたポイントをノートにストックしていき、答練・模試を受ける直前に目を通してミスをなくすように努めました。使っていて気分が上がる書きやすいペンの選定をし、時間を測って高速で書く練習も何度もやりました。基礎講座内で扱った問題を直前期に再度解き直し、特に不安の残る問題はさらに解き直しをしました。答練・模試の問題は解き直しせずに間違えたポイントのみ復習しました。

 

合格までの道のり

大変お恥ずかしい話ですが、途中まで「スケジュールを立てて一日のノルマを決める」ことをやっていませんでした。ある時にチューターの方から「ところで一日にやるべきノルマはきちんと計画していますか?」と聞かれて、初めて行き当たりばったりで勉強していたことに気付いたのです。なんとこの時点で本試験半年前。この時にお勧めいただいた『手帳で夢をかなえる全技術』(高田晃 著)を読み自分の価値観の棚卸しをして、なぜ司法書士になりたいのか・どういう人生にしたいのかを掘り下げて初心を思い出しました。この時から一日のノルマを細かく設定するようにして、毎日学習が終わったら一日を振り返って日記を書き、出来たことにフォーカスしてとにかく自分を褒めるようにしました。翌日のスケジュールもこの時に細かく書き出してから机を離れるようにしました。ノルマを決めたら毎日やるべきことが明確なのであとはアクセルを踏めばいいだけという状態になり、また自分で立てたノルマが崩れるのが気持ち悪いのでどんなに疲れていても必ずやり遂げる習慣がつきました。本試験半年前までは一日3時間位しか勉強していませんでしたが、ノルマを立てるようにしてからは毎日8~10時間はやれるようになりました。人が変わったように5分も無駄にすることなく一心不乱に勉強しました。マインドが変わり搭載しているエンジンが入れ替わったような感じでした。

夫が非常に協力的で、週末は子どもを連れ出したり家事育児を全て担ってくれたお陰で勉強に専念することができました。直前期までは家族との時間も大切にして、レジャーや旅行にも行きました。直前期は週末はほぼ勉強部屋にこもっていたので、1歳の幼い我が子が扉を叩いて泣きながら私を呼ぶ声を聞いて、嗚咽しながら勉強していました。答練・模試に出かける朝も激しく泣かれると、自分は何をやっているのだろうと心がブレそうになることも何度もありました。だからこそ、この生活を何年も続けるわけにはいかないと腹を括っていました。髪を切っても点数にはならないので年明けから美容院には行かず、勉強の合間の休憩時間には司法書士関連のYouTubeを見たり合格体験記を読んでストレス解消していました。また、日常で発生するタスクはなるべく即座に処理して、脳に未消化タスクの負担をかけないようにしました。元々体力がある方ではないので、勉強に余力を残すために家事育児はなるべく体力をセーブして、部屋が散らかっていても勉強の後に片づけるようにしていました。

 

本試験当日のこと

お試し受験はしなかったので初めての受験でしたが、会場である大学HPに載っている教室の写真から本番のイメージを何度もしていたので、当日教室に入っても動揺しませんでした。試験番号からおおよその自分の席の位置を想像して、本試験のシミュレーションをしていたので当日は既視感がある感じでした。「これから始まる試験でついに司法書士になる…今日で受験生活が終わるんだ!」という高揚感に包まれていました。過去の合格体験記で読んだ「試験開始直前に年度別の過去問を数問解いて脳をアイドリング状態にしておく」というのを参考に答練・模試でもやっていたので、本試験でも同様にやりました。午前は出だしの民法親族法で判断に迷う問いが続きましたが、時間に余裕があるので分からないところは後で戻って検討すればいいやと思いながら淡々と解き進めました。午後択一はとにかくスピード重視で飛ばしました。解く順番は先生の指示通りにし、50分で択一を解き終わりました。不動産登記法の記述で時間を費やしましたが、時間に余裕があったので1時間10分かけました。15時から商業登記法に着手して、残り5分でマークミスや名前の記載漏れがないかの確認をして終了しました。解散の指示が出た後にそのまま席で記述の再現答案を作成して、心地よい解放感に包まれながら帰路につきました。当日中に自己採点をし、午前31問・午後29問の結果でした。最初から最後までとてもエキサイティングで、自分の力を出し切ることができたとても楽しい一日でした。

 

最後に

不思議なことに、受験すると決めてからずっと受かる未来しか想像できませんでした。勉強が大幅に遅れている時でさえも「最後に帳尻を合わせれば間に合うから大丈夫」という謎の自信がありました。本試験後も合格を確信していたので不安になることはあまりありませんでした。心身が元に戻っていない産後に幼い子どもを抱えながら挑むには一見無謀かと思われますが、状況など関係なくやるかやらないかに尽きると思います。この試験は勉強の積み重ねはもちろんですが、メンタルで勝負が決まります。次の試験で必ず合格すると決めること、司法書士になる覚悟を決めることが何より大切だと強く感じます。しかし最初から最後まで鋼のメンタルを保ち続けることは難しいので、気持ちが弱くなった時に相談できる人や気持ちを立て直せるツール(本や動画など)を用意できるといいと思います。私は家族、松本先生、チューターの方、受験生仲間の励ましがなければ挫折していたと思います。

最短で合格できたのは、必要な『勉強量×戦略×情報』のうち、戦略と情報を講座にお任せできたことが大きいです。また家族のサポートが不可欠なので、協力をしてもらうためにも日頃から円滑な関係を築くことが大切です。合格発表は家族全員で見に行き、番号を見つけて抱き合って泣きました。家族一丸となって努力した結果が出た瞬間でした。

ベクトルを間違えずに受かるための勉強を続けられればゴールに到達できます。自分を信じて適宜軌道修正を重ねながら、夢に向かって全力で走り抜けてください。

一発合格者の合格体験記
週に6日働きながらの挑戦で一発合格!

Y.Kさん

 

はじめに

2021年10月下旬、ひょんなことから叔父の事務所を継ぐことになり、司法書士になることにしました。司法書士になることを決めた次の日には、辰已法律研究所の講座を申し込んでいました。これまで塾や予備校を利用したことがなかったので、独学で目指すことも考えましたが、とにかく時間がなかったのと、一回で決めたかったので予備校を利用することにしました。リアリスティック一発合格松本基礎講座(以下、「リアリ」といいます。)にしたのは、YouTubeで公開されている動画を視聴して、講師と同じようにテキストに書き込みをする講義形式が自分に合っていると思ったからです。時間的な理由で、20カ月合格コース(現在は、「ロングスタディコース」に変更されています。)にしました。週6で働きながらの挑戦だったので、同じように働きながら司法書士を目指す方の参考になれば幸いです。

 

私のとった勉強方法

まずは、どうすれば合格できるかを明確にすることにしました。結論から言うと、択一で午前・午後とそれぞれ30問正解し、記述で基準点を超えることができれば、高い確率で合格できます。ここでは、択一で各30問、記述で基準点を超えるために私がとった勉強方法について、択一対策と記述対策に分けて、具体的に書いていきます。

 

択一対策

択一対策としては、テキストと過去問に取り組みました。テキストは赤と緑の知識を全てアウトプットできるようになることを目標とし、過去問は全ての肢を理由付きで正誤判断できるようになることを目標としました。私は講義を三分割して、1.5倍速で視聴することにより、仕事のある日(月〜土)に2コマを消化できるように計画を立てました。帰宅した後、22時からパソコンの前でテキストに線を引き、翌朝5時に起きてから6時に家を出るまでの時間を復習に当てました。この時点では、80%理解できればいいくらいのつもりでした。何回もくり返す内に100%に近づけていけばいいと考えていたからです。日曜日は、その週の講義で指定された過去問を解き、テキストを復習しました。講座専用ブログがあり、過去問の根拠がテキストの何ページに記載されているのかが、全て示されています。スマホでブログのページを開いたまま、上から順番に解いてはテキストの該当部分に戻って、というかたちで2コマ分の過去問を解きました。このとき、必ず時間を計るようにしました。私は問題を解いた後、気になるところをすぐに確認したかったので、一問ずつ答え合わせをしました。また、本試験を意識して、少ない肢で正解を出せるようにしました。テキストに関しては、なるべくアウトプットできるように意識しましたが、思い出せないところはあまり時間を掛けず、最後まで終わらせることを優先して取り組みました。ただし、緑の知識だけは真っ先に暗記しました。出題頻度を表すランクについては、Dランクはさすがに捨てましたが、Cランクは普通に記憶するようにしました。他の教材に手を広げない代わりに、テキストだけは完璧にしようと思ったからです。

直前期には、過去問を2.5周、テキストを10周しました。毎朝4時に起きて過去問を解き、それ以外の時間はテキストを常に近くに置いてアウトプットしました。過去問を解くときは、理由付きで正誤判断できるか確かめました。時間は計らず、テキストにも戻りませんでした。理由付きで判断できなかった肢を最後にもう一周して、最終的には全ての肢の理由がわかるようにしました。テキストは常に持ち歩き、通勤時間、食事中、外出先などあらゆる場所でいつでも開けるようにしました。思い出せないところに付箋を貼り、思い出せたら剥がしました。全部の付箋がなくなったのは、本試験の二日前でした。

 

記述対策

記述対策は、正直なところ、あまり重視していませんでした。解法を習得した上での話ですが、大きなミスをしなければ基準点を超えるのは難しくないと考えたからです。大きなミスとは、枠ズレや時間切れによる途中答案などのことです。大きなミスを引き起こすのは緊張や焦りであり、その原因は択一にあると思います。午前の出来が悪かった、午後に時間を使いすぎた、など。よって、択一対策を重視することにしました。

直前期には、講義で使用した問題を一回ずつ解き直しました。解法の確認と、自分が犯しやすいミス(会社法人等番号を書き忘れる、など)を明らかにしてチェックリストを作成し、本試験の昼休みに確認できるようにするためです。また、答練と模試で時間配分の練習をしました。

 

本試験

本試験の前日に帰宅したのは、22時頃でした。前の日にテキストのアウトプットが完了していたこともあり、この日は初めて何もせず、23時前にベッドに横になりました。それまでは毎日体力の限界まで勉強していたため、ベッドに入ると同時に眠っていたのですが、横になっても眠れないのは、本当に久しぶりのことでした。これまでやってきたことを思い返していると、自分が明日の試験を楽しみにしていることに気づきました。そして、本試験の当日。午前の部は予定通り、憲法から順に解いていきました。午前は全肢検討しました。民法で時間をとられましたが、それでも40分余ったので、ゆっくり見直しをすることができました。どれだけ考えても二択までしかいかない問題が7問ありましたが、半分くらいは合っているだろうと軽く考え、気にしていませんでした。途中、試験会場で停電があり、試験が約40分中断しました。停電は想定外でした。最悪の場合、試験が中止になる可能性もあると思っていたので、復旧したときは本当に安心しました。二回目の見直しが終わった後の20分間はやることがなく、目を閉じて体力を温存しました。午前の部が終わり、昼食をとりながら記述のチェックリストを見直して、午後の部に臨みました。この日は本当に調子が良く、択一が50分で終わりました。しかも、ほとんどの問題で自信をもって解答することができました。ところが、枠ズレをしないよう慎重になるあまり、不動産登記に時間を掛けすぎてしまいました。商業登記に移った時点で、残りは60分を切っていました。別紙の多さに圧倒されながらも、必死に手を動かしました。最後の欄を埋めてペンを置いたとき、試験終了の合図がありました。終わった後も、しばらく頭痛が収まりませんでした。

 

最後に

兼業受験生にとって、司法書士試験は時間との戦いでもあります。限られた時間の中で合格するには、効率のよい勉強法を選ぶことと学習対象を限定することが重要です。特別な事情がない限り、予備校を利用するのが得策だと思います。予備校選びについては、何が正解ということはないので、自分に合ったものを選べば良いと思いますが、個人的にはリアリがおすすめです。特別な才能もない私が、週6で働きながらも一回で合格できたのは、リアリのおかげに他なりません。もう一度ゼロから勉強するとしたら、間違いなくリアリを選びます。そして、今度こそ合格祝賀会に参加するのです(仕事で参加できませんでした…)。働きながらの挑戦は困難の連続で、挫けそうになることもあると思います。しかし、どんな困難に直面しても、絶対に合格するという強い思いがあれば、きっと乗り越えられるはずです。頑張ってください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

一発合格者の合格体験記
総合順位17位で一発合格!

H.Iさん

 

はじめに

自転車は用意します。しかし、それだけでは自分の脚で走っている他の受験生に負けてしまいます。漕いでください。

この言葉はガイダンスで松本講師が仰っていた言葉です。

私は受験勉強をしていた約1年間できる限り全速全開で漕いでいました。何度もタイヤがパンクし、チェーンが外れた事もあります。そこで辞めるのも一つの選択肢。しかし、それでも立ち上がり最後まで諦めず漕ぎ続けた結果、今こうして合格体験記を執筆させていただいています。

よろしくお願いいたします。

私は大学4回生の時に就職活動をするか司法書士を目指すか悩み、結果として司法書士試験を受験する事に決断しました。

司法書士を目指し始めた理由としては、大学は法学部に入学したという事もあり、漠然と法律に興味を持ち始め、何か法律に携わる職に就きたいと思い調べていく中で、司法書士という資格を知り受験資格もなく、すぐに受験できるということだったので受験しようと決めました。

私はリアリスティック松本基礎講座が開講する2021年の5月頃から勉強を始め、2021年の7月にお試し受験を受け、2022年の本試験で合格できました。

 

私の取った勉強法

私が司法書士試験の受験を決めた時は大学在学中という事もあり、勉強時間は一般的に司法書士試験に必要である3000時間より多く勉強する時間を確保できる目処がありました。まず、2021年のお試し受験の段階で全科目戦えるよう5月から先に発送していただいたテキストを予習しながら勉強していました。

しかし、お試し受験では午後択一で基準点に届かず不合格と呆気ない結果に終わりました。

お試し受験後の2021年7月から大学卒業までは大学の講義を受講しながら司法書士試験の勉強を継続し、大学卒業後から本試験の2022年7月までは専業受験生として勉強を継続していました。

私は人より多く勉強しなければ、人並みのレベルに到達できないタイプと学生時代に思い知っていたので、本試験までにテキスト50周、過去問20周前後読み、解いていました。テキスト50周といっても、全て読んでいるわけではなく見出し、小見出し、講義内で松本講師が下線を引いた箇所、表を読み、他の箇所は講義で扱った時以外は読むことはなかったです。テキストを50周も読んでいれば本試験でどのような問題が出てもテキストに記載されている知識で有れば答えることができていたので、特に焦ることもなく本試験に挑むことができました。

また、私はリアリスティック基礎講座の他に模試や答練も受講させていただいていたので、直前期からは模試や答練で択一や記述の演習をしていました。直前期に大体自分がどのレベルにいるのか判断するにはいい材料であり、記述の添削により、具体的な記述の点数も把握できました。

 

勉強法(択一)(インプット)(アウトプット)

司法書士試験は民法、不動産登記法、会社法(商法)、商業登記法の主要4科目に加えて、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、供託法、司法書士法、憲法、刑法のマイナー科目の計11科目が択一で出題され、膨大な量を暗記していく必要があります。特に不動産登記法や商業登記法は記述にも出題されるため、より対策する必要がありました。

リアリスティックの講座ではテキスト11冊に加え過去問16冊、記述の解法本2冊を勉強する必要があり、暗記する事項が沢山ありますがリアリスティックの講座を受講すると講座内で松本講師が語呂合わせやテキストに下線を引くといった暗記の補助となる工夫が沢山あり、実際暗記には思ったより苦労はしなかったと思います。

特にテキストに下線を引くといった工夫はとても役に立ちました。記憶すべき箇所には赤、理由付けには青といった感じで下線を引いていくのですが、後に復習する際は赤の下線と青の下線を読むだけで理解が可能になるよう下線を引いていってくださるので、下線を引かずにテキストを読んでいたお試し受験の前の段階より遥かに効率が上がりました。

また、過去問も非常に充実しており、令和、平成の肢以外にも昭和の肢も問題集に収録されていたので、本試験で過去問出題肢を失点する可能性が低くなり心強いです。受講生専用ブログでは過去問の肢がテキストのどのページに記載されているのか随時更新されていくので、過去問で間違えた箇所をテキストで探すといった手間なく過去問を解き続けるとこが出来ました。

 

勉強法(記述) (インプット)(アウトプット)

記述が不安な方は多いと思います。私もそうでした。仮に択一が午前、午後双方で105点満点を取ったとしても記述を枠ズレして足切りにあえばその時点で不合格です。どれだけ対策していても、この枠ズレの恐怖は本試験の記述を解く時まで続くと思います。

枠ズレをしないためにも、記述の解法をマスターすることは必要ですので、私は松本講師の解法に従い、自己流をほとんど加えず完全コピーしていました。

私は模試を10個ほど受験しましたが枠ズレしたのは1回のみです。この1回は論点すらわからない問題でしたので、解法の問題というより、自分の知識不足で生じた枠ズレでしたので解法さえ身につけば枠ズレの可能性は限りなく低くなります。

しかし、枠ズレをしなかったとしても雛形を暗記していなければ話になりません。この対策は講座の特典である雛形シャドーイングで解決できます。毎日、ご飯を食べながら、お風呂に入りながらといった何かしながら雛形シャドーイングを聴くことによっていつのまにかテキストにある雛形は覚えれていますので雛形が覚えられないという不安は解消できます。

 

本試験当日

本試験当日は雨で7月にしては肌寒かったことを今でも記憶に残っています。また、本試験の受験会場はお試し受験の時と同じ会場で会場にたどり着けるのか。といった不安はなかったのは幸いでした。

私は本試験が始まるギリギリに会場に行き、2022年度受講生は無料で受講できた「Cランク判例・先例で帳尻合わせ講座」のレジュメを10分ほど確認して午前の部を受けました。模試と同様、憲法→民法→刑法→会社法(商法)の順番で解き、全肢検討して問題を解いていたので午前の部が終わった時点で33/35はあると実感していました。結果34/35と自己予想と大差ない点数でしたので時間のある午前の部は全肢検討することによって大体自分の点数を把握しておけるので、全肢検討をおすすめします。

午後の部が始まる前に模試の記述でよく間違える論点(ex所有権移転or持分移転or 共有者全員持分全部移転)をまとめていたルーズリーフを眺めてサンドウィッチを食べていました。

そして午後の部が始まり、松本講師のおすすめの解き方である供託法から民事訴訟法に下がっていく順番で問題を解いていきました。

午後の部は択一35問、記述2題を3時間の中で解き終える必要があり時間に追われることが予想されるので択一は午前の部の解き方のように全肢検討はせず、軸となる解きやすい肢を判断し、組み合わせを使いながら解いていきましたが、令和4年の問題は比較的解きやすい問題が多かったおかげか35分前後で択一が解き終えました。記述には各1時間を予定し、不動産登記法→商業登記法の順で解いていきました。不動産登記法は珍しく不動産が4つ出てきたので少し驚きましたが、内容はそこまで複雑な問題ではありませんでした。枠ズレ論点も名義変更登記や数次保存といった論点で時間をかけ、落ち着いて考えれば比較的判断ができるような論点でしたので、択一で余った時間を存分に使い1時間10分程度で解き終えました。

最後に商業登記ですが、問1、問2のいつも通り株式会社の役員変更や株式関係の論点が出題され、想定内の問題でしたが、問3、問4は記述の過去問では出題されておらず、想定を超える合同会社の登記に関する問題でした。合同会社と見た瞬間、株式会社に組織変更する問題と思いきや、普通に合同会社の業務執行社員の変更登記等が問われて面食らいましたが、リアリスティックテキストには合同会社の登記記録や雛形が掲載されているため、焦る事なく、記憶を辿りながら、解いていきました。大体、商業登記は50分程度で解き終えたため、残った時間は択一のマークミス、雛形の漢字ミスの見直しをして過ごしました。

 

後進へのメッセージ

私がこの合格体験記を執筆しているのは11月中旬です。残り4ヶ月強で直前期、7ヶ月強で本試験の時期です。

まだ思うように勉強出来ていないという方も合格の可能性は十二分にあります。

そして、今の時期はインプットで毎日毎日テキストを読み、同じ日々の繰り返しで気が滅入る日も多いかと思います。しかし、インプットなくして司法書士試験には到底合格は出来ません。合格者は全員この辛い期間を乗り越え、合格していると私は思っています。たくさんの事を犠牲にしてやっと合格が見えてくる試験に皆さんは挑戦しているということです。多少の知識と運だけでは到底合格までには辿り着けません。

人間は自分に都合の良い情報を鵜呑みにし、都合の悪い情報を排除する確証バイアスという特徴を持っています。

“運良く短期間で一発合格できた”という言葉の裏には短期間で私たちの想像を超える時間を勉強に費やし、全てを犠牲にした上で頭の良い方が必然的に合格している可能性があります。しかし、“運良く短期間で一発合格できた”という言葉を鵜呑みにして、数ヶ月で合格できるならまだ勉強しなくていいか。なんて考え勉強を疎かにすると普通に不合格になりますので、他人の合格体験記の都合のいい部分だけを鵜呑みにすることには注意が必要です。

最後にこの体験記を見てくださっている方の中には、司法書士試験の合格率や他資格との難易度の差、勉強時間等を調べ、来年度の合格を目指して既に勉強もたくさんいらっしゃるかと思います。おそらく、この試験に挑戦する事は人生の中でも大きな決断だったかと思います。

司法書士試験の受験をするという大きな決断をした過去の自分を裏切る事のないよう本試験までの残り時間、最大限勉強してください。皆さんの合格を心よりお祈りいたします。

 

最後に

末筆ではございますが、松本雅典講師、辰已法律研究所のスタッフの方々、私を支え、応援してくれた家族、友人本当にありがとうございました。どれか一つでも欠けていたら合格はできなかったと思います。

拙い文章ではありますが、最後までお読みいただきありがとうございました。

一発合格者の合格体験記
フルタイムで働きながら一発合格!松本基礎講座の講座専用ブログや質問システムを積極的に利用

K.Kさん

 

はじめに

私が司法書士試験を目指そうと思ったきっかけは、新型コロナウイルスによる自粛生活がきっかきでした。私はもともと司法書士の業務に関係する職種に就いており、司法書士の業務についてある程度の知識はありましたが、フルタイムで仕事をしていたこともあり、難関資格である司法書士試験の勉強時間を確保することは難しいと考えていました。しかし、自粛生活により、休日などにまとまった時間を確保できるようになったため、司法書士試験の勉強について検討するようになり、市販されている司法書士試験対策関連本にいくつか目を通しました。その中で、松本先生の、リアリスティック不動産登記法のテキストに魅力を感じ、講座を受講しようと決めました。また、辰已法律研究所の講座は、すべてオンラインで受講することができるため、フルタイムで働いている私には取り組みやすいと考えたことも理由です。

 

私のとった勉強法

オンラインの講義は、自分の都合に合わせて受講できるのが利点ですが、忙しいからといって受講を先送りにしてしまうと、結局最後まで受講できずに終わってしまうのではないかと考えていました。そのため、まず、勉強するにあたって、スケジュール通りに講義を受講することを最も心がけました。リアリスティック基礎講座は、週に9時間分の講義が配信されるため、平日は毎日1時間分の講義を聞き、週末に残り4時間分の講義の受講と、復習と過去問を解くと決めました。そして、必ずそのスケジュールを守るようにしました。松本先生は、講義の各回の終わりに、今回解くべき過去問の番号を必ず教えてくれるため、講義の受講スケジュールさえ決めれば、必ず期限までにすべての講義の受講と過去問を解き終えることができます。そのことが、勉強スケジュールの管理にとても役立ちました。また、受講生専用ブログは、過去問を解く際の考え方を習得するのにとても役立ちました。また、司法書士試験は試験範囲が膨大なため、講義を受けるに際しては、単に暗記するだけでなく、理由を理解することが重要だと考えていました。松本基礎講座では、メールでの質問システムがあるため、講義で理解できなかった部分があった場合は、メールでの質問も積極的に利用しました。

択一

22年の3月までは、基本的に、講義を毎回聞いて指定された過去問を解く、という作業の繰り返しでした。過去問を1問解くごとに、受講生専用ブログの解説を必ず見ていました。ブログにはテキストの該当ページが必ず書かれているので、もう間違えることはないと自信を持てる問題以外は、必ず該当ページを見返すようにしていました。時間については、テキストを見直す時間も含めて1問10分以内とするように決めていました。午後の択一科目については、本番の試験では、全肢見ることができない場合もあると思いますが、勉強の際には全肢確認するようにしていました。4月以降については、まず、午前科目と午後科目の初回の答練を1回ずつ受けました。そこで、民訴法、民事執行法、民事保全法などの午後のマイナー科目の実力が足りないことがわかったので、まずは、苦手科目のテキストの読み直しと過去問の解き直しを行うことにしました。本当は、すべての科目について過去問の解き直しを行いたかったのですが、フルタイムで働きながらでは、おそらくそれは無理だろうと考えていたため、苦手科目を重点的に行うことにしました。結局、民法と不動産登記法の一部の過去問については、解き直しを行うことはできませんでした。演習については、勉強が不十分な状態で何度も受けてもあまり効果がないと思い、午前と午後各2回ずつにとどめました。ただし、現在の実力を把握するためにも、講義を一通り聞き終わった状態で、1度は受けておいた方が良いのではないかと思います。

記述

記述の問題演習を行って、解説の講義を聞く以外は、特別な勉強は行いませんでした。記述において、択一よりも細かな知識が必要になることはないと思いますので、テキストを理解していれば十分だと思います。ただし、記述については知識があるだけでは書くことができないので、やはり書くことに慣れが必要だと思います。問題演習については、4月以降にすべての問題をもう一度解き直すようにし、法務省のホームページから過去の記述問題を5年分印刷し、それらについても、1回ずつ解きました。解き直しの際には、特に時間配分に気を付けるようにし、1時間以内にどこまで書けたかということを重視するようにしていました。

 

模試について

模試は、松本先生のアドバイスを参考に、辰已の全国総合模試を2回と、ほかの予備校の模試を2回受けました。模試の成績については、良いに越したことはないですが、特に初学者の方は、ベテラン受験生に勝てるわけはないので、あまり気にする必要はないと思います。私自身も、模試でA判定をとったことは1度もありませんでした。模試を受験する上で最も大切なのは、時間配分のやり方を身に付けることだと思います。できれば午後の択一は60分以内で終わらせたいところだと思いますが、私は、模試を受けた結果、60分で終わらせることは難しいと感じたので、本番の試験も70分を目標にすることにしました。また、問題を解く順番についても模試を使って決めておくとよいと思います。

 

試験当日

試験直前に色々なことをやろうとしてもあまり意味がないと考えていたので、試験前日はいつも通りの時間に就寝しました。また、会場についてから試験開始までは、試験場入り口で各予備校が配布している直前の確認事項などを見て過ごしていました。試験中は、とにかく今までの模試の通りに解くことを意識しました。午前の択一については、ある程度できた実感があったので、昼休みは軽く食事をとった後、会場の建物の外を散歩したりして過ごしました。ちなみに、当日のお昼に何を食べるかも、事前に考えておいた方がよいと思います。午後の択一は、民事訴訟法が難しく、不動産登記法でもいくつか不安に感じる問題がありましたが、とにかく、自分で決めた時間である70分で解き終えるように心がけました。不動産登記法の記述は、内容は理解できましたが、すべての小問の最終欄が登記不要となったことが気になっていました。ただし気にしていても仕方がないので、時間が来たらとにかく商業登記法の記述に取り掛かり、商業登記法の記述を時間ギリギリに解き終えて終わりました。

 

最後に

司法書士試験の難しさは、やはり試験範囲の広さと、合格点の高さだと思います。膨大な知識を覚えるだけの勉強時間を確保する必要がありますし、正確に知識を記憶するため、何度も同じ学習を繰り返す必要があると思います。ただし、やはり私のような兼業受験生の方は、自分が理想とする勉強時間を確保することは難しいのが現実ではないかと思います。そのような場合でも、とにかく、途中であきらめず、すべての講義を受け終えることが大切です。色々な講師の方が仰っていることですが、テキストのすべてを完璧に理解しようとせず、とにかく勉強を進めていくことが大切だと思いますし、時間が限られている方は、特にそのことを意識することが重要だと思います。私の場合は、とにかく苦手科目からつぶしていくことを心掛けました。そして、特に試験当日は、わからない問題があっても絶対に最後まであきらめないでください。本番の試験であきらめてしまったら、すべてが無駄になってしまいます。私自身、自信がなくても、結局正解であった問題もたくさんありました。最後となりますが、皆さんが合格できることを心から祈っております。

一発合格者の合格体験記
21歳で最年少合格!リアリスティックの教材で出てくる話しか知らなくても余裕で合格することができた。

T.Sさん

 

はじめに

私が司法書士試験を目指そうと思ったきっかけは、高校生の頃に法律に興味を持ち様々な法律を勉強してみたかったことや専門職に憧れがあったからです。さらに司法書士試験は受験資格がないため、自分の努力次第で資格をすぐに取れることも魅力の一つでした。私の本格的な受験勉強は令和元年度の旧民法試験が終わったあたりからだったと思います。そこから約二年勉強を重ね、無事に在学中に合格することができました。

 

私のとった勉強法

まず私が辰已法律研究所の講座を取った理由と致しましては、受験に必要な情報がすぐ手元に届くからです。前半の一年は独学で勉強していましたが、独学だと法改正の情報や教科書の誤植の情報が入らず誤った情報のまま勉強していたことが多々ありました。自分で調べるとなるとそれなりの時間と労力がかかるため独学だと受験勉強以外のことで時間を取られることがありましたが、講座を取ることでそういった手間がなく受験勉強に専念できました。またリアリスティック基礎講座には専用のブログがあり自分の分からないことはすぐに講師に質問ができたのがとても大きかったです。

授業について

令和3年度受験の場合コロナウイルスの影響で昨年の合格発表から次の試験まで約半年しかなかったので、通常のカリキュラム通りに受講しているとまず次の試験まで間に合わないため苦手意識のない科目の講義は飛ばして取捨選択しながら受講していました。オンライン授業だとアーカイブが残っているので自分の得意不得意に合わせて講義を聞きなおすことができるのでとても助かりました。

 

具体的な勉強方法

択一

基本的には講座指定の教材のみ使用していましたが、憲法のみ問題数が他の科目より少ないので公務員用の問題集を併用していました。教科書を中心に勉強をしていて工夫点としましては、教科書の小見出しをいったんノートに写して二週目以降教科書は一切見ずノートのメモだけを見ながら教科書の内容と記載場所まで思い出すようにしていました。そうすることで知識の精度がより上がり、最終的には何も見なくても教科書の内容が思い出せるレベルにまでなりました。本試験でも選択肢の冒頭を見ただけで教科書の内容と場所まで特定することができ自信をもって答えを出すことができました。過去問は昨年演習をしていたので今年はあまり使いませんでした。結局昨年含めても3周くらいしか演習しなかったと思います。他に択一で意識した点として午前の科目を重点的に勉強していたことです。基準点の推移をみてみると午後の択一は年度ごとにばらつきがあり難易度に差がありますが、午前択一に関しては一定で少なくとも難しくなることはありません。つまり午前択一のほうが安定して得点を重ねることができ、こちらで高得点を取ることができれば午後択一が難しくても問題なく合格点を取ることができます。私はどのようなコンディションでも午前で30問未満にならないように意識して勉強していました。実際に今年の令和3年度試験も午後択一が非常に難しかったですが、午前択一で十分な手応えを感じていたので午後も落ち着いて問題を解くことができました。

記述

問題演習以外は基本的には択一対策と同様の勉強しかしていませんでした。記述も聞かれていること自体は教科書の内容なうえ、普段の勉強から教科書を見なくても内容を思い出せるようにしていたので特に記述に抵抗はなく、むしろ聞かれることは択一に比べて基本的なことばかりなのであまり心配はしていませんでした。基準点を超えるだけなら他の受験生誰もが分かることさえできていれば問題ありません。ただ司法書士試験の記述は問題文が多く注意事項が独特なので記述講座の問題や答練、模試の問題を使って慣らすようにはしていました。結果的に教科書の知識だけで記述の商業登記は35点(満点推定)を取ることができたので、記述は教科書を中心に勉強すれば問題ないと思います。

模試や答練について

答練や模試の成績は良いに越したことはないですがそこまで気にする必要はないと思います。仮にこの成績が合格に直結するならベテラン受験生は存在するはずがありません。あくまで模試や答練は時間配分の練習や記述の問題慣れが最大の目的だと思います。実際私も答練や模試を受けて基準点は超えてはいましたが、トップの成績とかでは全くなかったです。

 

受験時代のモチベーション

私は学生なので社会人の方と比べると勉強時間が多く確保することができましたが、コロナウイルスの影響で毎日家だったのでメリハリがなくモチベーション維持が課題でした。対応策として通常なら一日の勉強時間や環境を工夫しますが私はあえて何もやりませんでした。つまり勉強したくなったら勉強し、やりたくなくなったら思いっきり遊ぶようにしていました。この方針は直前期も変わらないままでした。やりたくないときに勉強をしても効率が悪いですし本当に合格したかったら自ずと勉強をやると思ったからです。最終的には合格への思いが強かったのと勉強させてもらえることのありがたみを感じほとんど毎日勉強していたと思います。もしモチベ―ジョンで悩むことがあれば無理せず一度おもいっきり遊ぶのも一つの手だと思います。

 

本試験当日について

私は今年の受験をラストチャンスと考えていました。仮に今年の試験に落ちたら司法書士試験は潔くあきらめるつもりでいたので後悔の無いように勉強してきました。実際これ以上何を勉強すればいいか分からないと言えるくらいまで教科書をやりこみ、これで落ちたら胸を張って不合格と周りに言えるくらいだったので、試験前日は開き直って普通に寝ることができましたし、当日もそこまで緊張することはありませんでした。午前に関しては上述したように30問割ることが無いように勉強しており試験中低く見積もっても31問は取れているだろうという認識だったので午前はそれなりの滑り出しでした。午後に関しては不動産登記法の択一が難しくあまり手応えはありませんでしたが、午前が少なくとも31問取れているつもりだったので25問くらい取れれば記述次第で合格するだろうと思いあまり不安にはならずいつも通り記述を解き始めることができました。記述は不動産登記法が難しく分量が多かったので自信はありませんでしたが、15時になったら途中でも気持ちを切り替えて商業登記法に移れたのが大きかったです。こういう気持ちの切り替えを模試とかで練習しておくと本試験でも慌てることはないと思います。商業登記法は例年より簡単だったので解き終わった段階で手応えがあり基準点は超えただろうという心境でした。本試験を終えた後はとにかく清々しかったのは覚えています。合格不合格は余り気になってはおらず、全力を出し切れたことに満足していました。

 

最後に

この試験の難しさは試験内容が難しいというより試験範囲の広さと合格点の高さだと思います。いかに大量の知識を正確に覚えられるかが合否の分かれ目であり、いかに基礎知識をおろそかにしないかに尽きると思います。少しくどいかなと思うくらい同じ知識を繰り返し勉強するくらいがちょうど良いです。合格に細かい知識や判例は不要で市販の教材の知識量で合格は可能です。私もリアリスティックの教材で出てくる話しか知りませんでしたが余裕で合格することができました。これから受験される方はつらいこともたくさんあると思いますがあきらめず基礎知識をつぶしていけば必ず合格できます。私の話が少しでも皆さんのお役に立てたのなら幸いです。

一発合格者の合格体験記
フルタイムで働きながら一発合格!松本基礎講座との出逢いが「司法書士になる」という目的自体を一層魅力的に

T.Sさん

 

はじめに

法学部在学中に行政書士を、社会人2年目で宅建士をそれぞれ独学で取得し、「次は司法書士かな~」と何となく考えていた程度で、受験を志した当初は正直、「司法書士」の仕事そのものに関心があった訳ではありませんでした。ただ、合格率等々を見て明らかな通り、決して簡単に合格できる代物でないことは分かっていたので、何かしらの通信講座は受けてから臨もう、と考え至りました。低価格を謳う新興予備校から、やや高価ではありつつ信頼と実績のある大手予備校...名前の思いつく予備校には片っ端から資料請求し、その時点での辰已法律研究所に対する印象は、「法律系では聞いたことのある予備校だけど、司法書士試験では新参らしいし、、、一応資料請求しとくか」と、その程度の認識でした。

届いた資料を見て、まずひとつ。「リアリスティック一発合格」の言葉に惹かれました。講座名に「一発合格」を冠する、しかも「リアリスティック」なんて形容詞がついている。一体どんなカリスマ講師なのだろうか...。勝手な人物像を巡らせつつ、パンフレットを開くと、なるほど、経験に裏打ちされた確かな説得力がある。2~3年かけて合格まで持っていければ...という当初の発想は吹き飛びました。この講座でなら、一発合格が目指せる。

資料請求した時点で、2019年の3月。2020年の秋には合格を手にし、2021年には登記実務のスペシャリストとして活躍する自分自身の、具体的なイメージが湧いてきました。「司法書士になる」という”目的”に対して、”手段”に過ぎないはずの「講座」ですが、私の場合、この説得力あふれる『リアリスティック一発合格松本基礎講座』との出逢いが、「司法書士になる」という目的自体を一層魅力的に、引き立ててくれたように思えます。

 

私のとった勉強方法

〈兼業受験生として〉

フルタイムで働きながらの兼業受験、その時点で他のライバルと同じ心持ちで臨んでは、一発合格など絵に描いた餅であることは言うまでもありません。加えて私は地方在住の通信受講生。そもそも、他のライバルがどういった勉強をしているのかが、見えない環境にありました。

翌年の合格を見据えてどういったスケジュールを立て、どうやってそれを着実に実行していくのか、これに合否の99%が懸かっている。大げさでなく、そう思いました。「兼業受験生だから」と、甘えのあるスケジュール感で臨むのは論外ですが、「兼業受験生だから」と、気張り過ぎて実現困難なタイトなスケジュールを立て、ついていけなくなっても本末転倒です。講座視聴を完遂できずに断念する受講生も少なくないと聞き、「無理なく、計画的に」をモットーに、日常生活と勉強の両立を図っていきました。

〈インプット段階〉

5月スタートコースで、約2週間に1回、5~6コマ分のDVDが送られてきます。順調にいけば、翌年4月(本番3か月前)に全124コマが視聴完了するスケジュールです。まずはそれを溜めずに視聴すること、実はこれだけでもかなりの大変さです。1コマが約3時間なのですが、フルタイム勤務をしながらこの1コマを一気に見るのは、体力的にもかなりしんどいです。というか、一気に見たところで到底頭に入りませんので、限られた時間の中でインプットしていかなければならない兼業受験生としては、そのような進め方は非効率的とも言えます。私は以下のように視聴を進めていきました。

私は、平日と休日で勉強パターンを変えていました。平日には、出勤時刻の1時間半前に起床し1/3コマを視聴、帰宅して就寝前に2/3コマを視聴、翌朝の出勤前に残りの3/3コマと視聴、と、1コマの視聴完了に1.5日をかけ、3日で2コマ、平日のみで確保できる時間の中で、2週間に1度届く講義DVDを消化していくスケジュールにしました。これ、言うほど楽ではないです。何事もなければ20時には帰宅できますが、仕事の関係で遅くなるときもあれば、突然の飲み会や社内研修で結局勉強できなかった日もあります。それでも、例えば翌日の帰宅後はいつもより1/3コマ多く視聴して間に合わせるなどして、2週間に1度新しい講義DVDが届くころには未視聴分が残っていないよう、スケジュールは厳守しました。

休日は、基本的に平日に視聴した講義の復習です。対応する択一過去問を解いたり、ただ線を引くだけで理解できていなかったテキストの部分のDVDを再度視聴したり。平日と異なり、「決まった量をこなす」といった進め方をしない分、柔軟に予定を動かせるよう、平日のようにスケジュールでがんじがらめにするようにはしませんでした。比較的余裕のあるときはテキストを片手に趣味の温泉巡りに出かけたり、ストレスなく勉強を継続できる環境を保てたのは、大きかったと思います。

〈アウトプット段階〉

10月から、2週間に1コマのペースで記述対策のDVDも届くようになります。記述式の問題は1コマにつき2問付属しているので、休日を記述対策に充てて、1週間に1問のペースで解いていきました。このころになると、「勉強癖」とでも言うのでしょうか、平日起床後の1時間弱と帰宅後就寝までの数時間は、勉強していないとどうにも落ち着かない感覚が出てきます。それに対して、講義DVDの記述対策回は休日に視聴するようになったので、平日の講義DVDの視聴ペースに若干の余裕ができていました。この余裕を、テキスト回しに充て始めました。

テキスト回しに着手した時点で、すでに一度講義DVDを視聴し、休日を充てた復習を一応経ています(=インプット段階)。「理解不能」「意味不明」な記述はテキスト上に存在しない前提で、あとは記憶力との勝負です。記憶の定着は、アウトプットを『繰り返す』ことで促されます。松本先生の仰る通り、テキストの一部を隠しながら読んでいき、記憶すべき事項をアウトプットしていくのが理想的なテキスト回しの進め方だと思います。

しかし、それを何周も何周も『繰り返し』定着するまで、机に向かい合って続けていく時間的余裕は、私には無いと考えました。そこで、小さめのホワイトボードとポケットサイズの手帳を使って、この『繰り返し』プロセスを自分の日常生活に合わせてカスタマイズできないかと試みました。「①まずは一度、テキストでアウトプットを試みる→②アウトプットできなかったものを自室のドアに貼ったホワイトボードに書き写し、1日の間、ドアを通る度にアウトプットを試みる→③それでも翌朝時点で覚えていなかったものを手帳に書き写し、通勤の電車内や信号待ちの間、昼食を食べながら等、隙間時間を活用してアウトプットを試みる」、この一連の流れを毎日行っていました。手帳に書き写したもので、アウトプットができるようになってくれば、そのページを切り取って、自室の壁に貼り、週1回程度の周期で見返します。民法、不動産登記法、会社法・商業登記法のテキストに関しては、こういった進め方で4月の講義DVD全コマ視聴完了までに一巡ができました(その頃には、もう自室の壁は貼れるところがないくらい、切り取った手帳のページで埋め尽くされていました)。

4月以降の全コマ視聴完了後は、平日はテキスト回しのペースを上げ(民法、不動産登記法、会社法・商業登記法は計5周しました)、マイナー科目のテキスト回しも開始(計3周ほど)。この頃になると、択一過去問にあまり時間を費やさなくなりました。民法、不動産登記法、会社法・商業登記法と、過去問からの出題が多い供託法は2周解きましたが、その他の科目は1周解いたのみで、基本的にはテキストメインで勉強を進めていきました。

休日は「司法書士オープン」を受講しつつ、記述対策講義の問題をもう1周解いてみるなど、記述式対策をメインに時間を割きました。コロナの影響で試験日程が延期したのもあり、オープンと模試の記述式はそれぞれ2周解き、過去3年分の記述式過去問を1周、他社の模試も1度受験しました。

記述式の勉強について一つ挙げるとすれば、これはあくまで私の場合なのですが、「申請例」は確かに大事な要素ではありますが、その一字一句にこだわって丸暗記に偏重してしまうよりは、「申請の流れ」を理解することが重要であると感じました。実は私、申請例のシャドウイングは殆どやっていません(事例無しで申請例を読み上げるだけでは全く頭に入らず、早々に取りやめました)。一方、テキストに記載されている「事例」と、それに沿った「申請の流れ(1/2として何を申請し、2/2で何を申請するのか)」は、重宝しました。「なぜ先にコレを申請するのか、なぜソレは2番目に申請し、アレは申請しないでいいのか」、オープンや模試、過去問で間違えた箇所についても、そういった「申請の流れ」を重要視した復習を心掛けました。本番でも、登記事項を書き間違えたり根拠条文をド忘れしたり添付書類をすっ飛ばしたりといったミスは“かなり”やらかしましたが、大きな枠ズレは無く、「流れ」をつかめた解答を提示できたことが、得点に繋がったのではないかと思っています。

〈本番〉

ペース配分。これだけです。人それぞれ得手不得手はあると思いますので、積み重ねたオープンや模試で、自分の理想的なペース配分を算出し、それを確実に実行するだけだと思います。例えば、一般的に「憲法は難しいから後回しすべき」と言われますが、私は学生時代、憲法専攻で得意分野だったので、真っ先に解くことで自信を持ったスタートを切れていました。本番、気の迷いで解く順序を変えたり、「あと一分だけこの問の検討を...」とペースを乱すのは禁物です。時には問1問を丸々切り捨てる勇気も必要だと思いますし、私は今回、その勇気を出せたからこそ、合格ラインに滑り込めたと思っています。

 

最後に

とまぁ、ここまで書いてはみましたが、正直なところ本番直後は、今こうやって合格体験記をしたためることになるとは思っていませんでした。もっと効率的なやり方があったのではないか、もっと勉強の密度を上げることができたのではないか、、、満足とはいえない択一自己採点結果を前に散々反省しましたが、確実に言えるのは、泣いても笑ってもその点数が今の自分の『実力』に他ならないということです。その実力レベルをいかに「無理なく、計画的に」引き上げることができるのか。結果として、一発合格を成し遂げることができたのは、前述のスケジュールを着実に実行できたことが、一番の勝因であったと思います。

松本先生が導入講義で仰っていたことに、この講座について、「自転車は貸します、あとは漕いでください」と例えられています。漕ぎ方を決めるのは受講生次第です。どのくらいのスピードで、どのくらいの力を込めてペダルを踏み込むのか。そのHow toについて、私自身の体験が、司法書士試験合格を目指す皆様にとって少しでもご参考になれば幸いです。

一発合格者の合格体験記
行政書士試験合格後、家事・育児・仕事と両立して勉強し1年半で合格!

K.Tさん

 

はじめに
自由に働きたい、専門性を身に付けたい、専門性を生かして社会の役に立ちたい、そんな思いが士業、中でも独立開業のハードルが比較的低い司法書士を目指すきっかけとなりました。司法書士試験の勉強をすぐにでも始めたいと思っていましたが、本屋で目にしたテキスト・過去問集の膨大な量は想像を超えており、まずは行政書士試験の合格を目指し、合格できたら司法書士試験に挑戦することにしました。ほぼ初学者で勉強に取り組み、行政書士試験は3回目で合格することができ、その後司法書士試験の講座をとり、約1年半の勉強期間を経て2回目の受験で合格することができました。司法書士の受験生活では、夫の単身赴任によるワンオペ育児、週3回弁護士事務所にて勤務していたので、家事、育児、仕事と勉強との両立に非常に苦心しました。同じような主婦受験生の方に、私の体験記が参考になれば幸いです。

 

私のとった勉強方法
平成29年11月の行政書士試験受験後、合格の手応えを感じたので発表を待たず、すぐに司法書士試験の講座を検討し始めました。とにかく早期に合格したいという思いがあり、春から開講している講座を冬から追いかけていき、翌年7月合格を目指す、松本先生の基礎講座の「追っかけチャレンジ」という講座に興味を持ちました。行政書士の受験勉強では、講師の話すスピードが遅いのが嫌で独学を選択した私にとって、松本先生の話ぶりは早いけれども聞きやすく、一度に入ってくる情報量が多く、自分に合っているなと思いました。また効率的な勉強方法を確立されている点、徹底的に司法書士試験について研究されている点に惹かれ、松本先生の基礎講座を受講することに決めました。当時1歳半の息子がいたため、講座は通信(DVD)で受講しました。結局合格までに答練や中上級講座等は一切とらず、基礎講座のテキストと過去問をひたすら繰り返していました。また本試験の時間配分の練習として、直前期に初年度は2回、合格した年度は10回、他の予備校開催分も含め模試を受験しました。

 

択一対策について
基礎講座のテキストに書かれている内容を、全て暗記する勢いで読み込みました。私は合格した本試験までテキストを11回転させましたが、序盤は全科目、 約4000ページのテキストを一回しするだけで2ヶ月程かかっていました。一回し終わり、また初めの科目に戻ったときに、「あれ、初めてみるような文章だ・・」という状態で、覚えては忘れ、覚えては忘れ、人は本当に忘れる生き物だなと、これほどまでに実感したことはありません。この膨大な試験範囲が、司法書士試験の挫折者を生んでしまうのだと思いますが、この状態になっても、とにかく諦めないことが大切です。私は回数が上がるにつれ、読む速度が早くなり、最後は500ページ程を1日で読めるようになっていました。特に登記法のテキストについては、7回目くらいから、しっかり理解して淡々とページをめくれるようになり、9回目以上になると、目視でページを進めることができるようになりました。私は松本先生の「このテキストに書いてある知識だけで合格水準に達する」という言葉を信じ、それ以外のテキスト等は一切購入せず、手を広げないで集中的にインプットしました。
松本先生のテキストは、単に知識が羅列されているのではなく、制度趣旨まで書かれており、それが記憶を呼び起こすことに役立ちます。また語呂合わせも多く活用されており、膨大な量の暗記を助けてくれました。一番記憶量が多いのは会社法・商業登記法で、特に組織再編、募集株式の発行は混乱しやすい箇所かと思いますが、丸暗記ではなく理由から考え、苦手意識を持つことなくスムーズに覚えることができました。
択一対策のアウトプットは、択一過去問本を活用しました。具体的には、平成元年から28年分の過去問を、1年半の間に5回転し、間違った問題だけさらに追加で解いていました。過去問の扱いについては色々と意見が分かれるところではありますが、合格水準の受験生は、出題実績のある問題は本番で間違ってこないという現状を考えると、自分も最低限その水準には達している必要があるなと思っていたので、私は択一過去問本を活用していました。

 

記述対策について
不動産登記法、商業登記法の記述を解くにあたり、申請例の雛形を、各120個程度暗記しなければなりませんが、私は申請例のヒアリングと、先に書きましたテキストの読み込みで雛形は暗記しました。松本先生の基礎講座には雛形の申請例と条文の音声データがついているので、私は1人で歩くときは申請例を聞きながら歩いていました。苦手な雛形はなかなか暗記できませんでしたが、大抵の雛形はいつの間にか覚えていました。
記述式問題は高速で膨大な量の情報を整理し、必要な登記申請を構成しなければなりませんが、書類を効率的に処理し、時系列にそって記号で情報を整理していく松本先生の解法のお陰で、いつも比較的早く、楽しみながら記述は解けていたように思います。
記述の演習は別途問題集など購入せず、1年半の間に受けた模試の問題をもう一度、基礎講座で扱った問題を3~4度解き直しました。これらは本試験の予想問題を兼ねているということと、ミスがあるのに新しい問題をたくさん解く必要はないと思っていたので、完璧に解けるまで同じ問題を解き続けました。

 

合格までの道のり
私は家事、特に育児については受験勉強を理由に手を抜くことはしたくなかったので、育児と勉強を同時にすることはありませんでした。というより2歳児育児も試験勉強も、どちらも同時にできるほど容易なことではなく、必然的に同時にできなかったと言った方が正しいかもしれません。育児にも充分な時間を割きたかったため、睡眠時間を含め、とことん自分自身の時間を削り、また極わずかの隙間時間も勉強に当てました。1日10時間以上の勉強が当たり前になされる司法書士受験生ですが、私は仕事がある平日週3日は4〜5時間、仕事がない平日週2日は7〜8時間(直前期は8〜10時間)、土日は夫が単身赴任中のため主に育児をする必要があり、5時間程度しか勉強できませんでした。まとまった勉強時間は保育園に行っている間か、子供が夜寝た後(土日は昼寝時も)にとっていました。それ以外に自分1人の時は、バス・電車移動時、各種待ち時間、昼食時は、欠かさず勉強していました。時間でノルマを決めず、分量でノルマを決めていたので、常に外出時はテキストか過去問を持参し、テキスト1行、過去問1肢でも多く勉強を進めるぞという気持ちでいました。
ほかに勉強時間の確保について、睡眠時間の調整と体調管理について気を遣っていました。昨年度の直前期に、勉強時間確保のため睡眠時間を削りました。しかし夜中に何度も子供の世話をしなければならない時期で、細切れで4時間程度しか寝れない日が続いた結果、6月の超直前期に蓄膿症になりました。体調を壊すと勉強のパフォーマンスが下がり大変非効率です。その時の反省を踏まえ、今年度は体調に影響がでない6時間睡眠を基本とし、6月以降は5時間半睡眠で本試験まで体調をもたせました。また洗面所、トイレ、キッチンの壁に図表を貼り、歯磨きやドライヤー、料理を作っている合間等に勉強できるようにしていました。わずかの時間ですが1日に目にする機会は多く、苦手な分野の暗記物は大抵この方法で攻略してきました。
とにかく日々時間がなく、テレビは年明けから子供番組を除き見ませんでしたし、美容院にも行っていません。座って休む暇もなく、洗濯物を畳む時と、お皿を拭いている時が、私にとっての日々の休憩時間でした。しかしその分、直前期のGWには家族で旅行に行けましたし、春と秋は、ほぼ毎週末お弁当持参で子供と動物園に行き、それ以外の日も外に子供と2人で出掛け、四季を感じることを大切に過ごすことができました。

 

今年度の本試験について
午前は点数をかせぐべく高得点を狙って取り組みました。いつも得意の民法親族法から解くことにしていましたが、新しい判例からの出題で1問目から血の気がひきました。しかし午前は時間に余裕があるので、丁寧に全肢検討、見直しも全問行い、終了後は基準点は超えているだろうといういつも通りの感覚でした。午後択一はマイナー科目から解き、商業登記法終了時点では、いつもより早いペースで回答できていましたが、不動産登記法の半ばで異変に気付きました。問題文が異様に長い問、前登記事項や細かい論点を聞いてきた工場抵当の問に、時間をとられた上に正解している感覚が全くありませんでした。記述に取りかからねばならないタイムリミット14時10分がきてしまい、択一1問分解けないまま記述にうつりましたが、模試ではいつも14時前後で択一を解けていたので、いつもより時間がないことに焦っていました。また不動産登記法記述は手間のかかる区分建物からの出題で、「早く書かねば」という思いばかりがつのり、どこか違和感を持ちながら枠ずれを起こしてしまいました。残り50分で商業登記法記述にうつり、得意の吸収合併からの出題で集中力を高め、株主途中退席→相互保有株式による議決要件の計算は、回し続けたテキストのページが頭に浮かび、解けている実感がありました。残り5分の時点で最後の申請の添付書類が書ききれておらず、焦りに手が震えながらもなんとかギリギリ全て書ききることができました。結果午後はマイナー科目、商業登記法の択一で得点できており、記述は枠ずれ以外は概ねできていたこともあり、合格点にのせることができました。模試よりも本試験のほうが、容赦がない出題だったように思います。また本試験でも最後まで諦めないことが大切です。

 

最後に
振り返ってみると受験生活は辛かったなと思います。しかし本屋で行政書士試験の参考書を手にとってから今まで、一度も勉強が嫌だと思ったことはありません。いつも勉強時間がとれないことが嫌でした。必ず合格する、そのために勉強は必要不可欠だからです。その根底には司法書士になりたいという思いがありました。司法書士試験の受験勉強は諦めたくなるタイミングが何度もきます。そこを突破できる思いがある方なら、いつか必ず結果が伴ってくると思います。
合格発表の日、合格の自信があったわけではなかったのですが、ここまでやった結果を見届けようという思いで、1人で法務局まで発表を見に行きました。法務局に向かって歩いている時、職員の方が16時ちょうどに紙を貼り出した時、自分の番号を探している時、立っているのがしんどいくらいなんとも言えない気持ちでした。そして自分の番号を見つけた時、「あった!」と声をあげ、努力が報われたことがとてもとても嬉しかったです。この日の気持ちを是非皆様にも味わって頂きたいです。熱い思いをもった受験生の皆様が、次の本試験で合格されますことを、心より祈念しています。

一発合格者の合格体験記
社会保険労務士試験後に勉強開始。9ヶ月半で短期一発合格!

T.Mさん

 

はじめに
私は法学部出身でも、実務の経験者でもありません。全く実際の業務の中身を知らないままで受験をするのは大変不安でした。しかし、司法書士試験受験に至るまでの間、いくつかの法律系士業の資格を取得してきたこともあり、どうせなら司法書士試験にも挑戦してみたいと考えて受験を決意しました。周りと比較して少し遅めのスタートとなり、勉強期間は10か月足らずで、ほぼ専業にも関わらず本試験日まで大変忙しい日々だったと記憶しています。勉強しなきゃ!という意識はほとんどないまま、気が付いたら本試験日が来ていたかのようでした。一回目の受験で合格できたのは、ある意味で程よく忙しかったのが要因の一つかもしれません。

 

辰已の受講講座
試験日まであまり日がなかったため、ネットで予備校を検索していくつか候補をしぼり、最終的に講師の提唱する学習方法や無料の講義映像での話し方を見て松本先生の講座に決めました。いままで辰已法律研究所を利用したことはなかったため、かつて利用していた某大手予備校の講座の利用を検討していました。なじみのある通信講座でのインフラがそのまま使えると考えたためです。しかし、かつて自分が他の法律系士業の資格の勉強で思い出し方を集めるのに苦労したのを思い出し、必要な理由付けが講義内でふんだんに提供されるリアリスティック一発合格松本基礎講座の受講を決めました。


択一式対策
私の場合、民法と会社法に関しては一通り学習経験があり足りない知識や改正点を補いつつ、かつての勉強を思い出しながらリハビリするといった風でした。したがって、学習初期の民法のインプットの段階では負荷が足りないと考えて、松本先生が指示される学習以外に「司法試験・予備試験と司法書士試験で重複する科目」については司法試験と予備試験の10年分の過去問題集を購入して、毎朝20問ずつくらい解いていました。こういった学習方法はあまり聞いたことがないので自分でもイレギュラーだなとは思っていましたが、問題の傾向が微妙に異なるので大変新鮮で、よい眠気覚ましになりました。ただし、あくまで目指しているのは他でもない司法書士試験合格であって、それ以外の何物でもありません。松本先生のおっしゃる「講義を聞き終えなければならない時期の終期」でこの過去問題集については封印しました。以後合格まで手を付けていません。結局、憲法の問題集については開くことさえなく新品同様、刑法についても司法書士試験とはかけ離れていると思われる学説問題をすっ飛ばし、一周できずに終わりました。民法と商法(手形法関連を除く)については3周ほど、民事訴訟法は一周しました。「で、役に立ったの?」と聞かれると答えに詰まりますが、自信がついたのは確かです。上記以外の学習はほぼ他のリアリスティック一発合格松本基礎講座の受講生の方と変わらないと思います。テキストに基準をおいて司法書士試験の過去問を解きながら思い出し方を含めテキストをアウトプット。いままでの学習ではアウトプットでごり押ししていたことの多い私にとっては初めての方法論でしたが、効果てきめんだったようです。

 

記述式対策
不登法に関しては普段のテキストのアウトプットの周回段階で自分が作問者ならどんなストーリーを作るかを意識した読み方を心掛けました。本試験での連想が早くなるよう答練や模試でのひっかけ方を頭の中でリストアップして、できる限り登記記録を答案構成用紙に書き写しながら別紙のナナメ読みする段階で問題の中核部分に気が付けるようにしていました。

別途ひな型を覚える作業をされる受験生の方が多いようですが、私の場合はシャドーイングに加えてイレギュラーな箇所、例えば所有権保存の登記の抹消で登記識別情報と印鑑証明書が必要ですが、そういった部分のみ蛍光ペンで目立たせて意識するだけにとどめました。講義中に書き込んだもの以外にも、復習時に自分で書き込んだメモも多いです。結局のところ、申請書のひな型は一定のルールにのっとって原型を変形させているにすぎないためです。あまり暗記に走らなかったせいか、記述式の問題を解くのは割合楽しんでました。辰已のオープン総合編の答練は作問者が責任担当制で毎回入れ替わるため、記述の問題も十人十色で飽きずに解くことができました。
商業登記法に関しては、どのように登記できない事項を問題に組み込んで出題してくるだろうか、という点を常に意識しながらテキストでアウトプットしていました。不登法とは違い、ひな型を変形させるという方法は使えないので、添付情報の使い分けを覚えるのに若干苦労しました。松本先生の講座では組織再編のところの添付情報の覚え方をはじめ、知識の整理の仕方が教えてもらえるため、丸暗記せずに済んだのはよかったです。登記の事由の書き方で紛らわしいものを直前に確認したくらいで、申請書を書きまくるような対策はしませんでした。

ひとつ記述式に関して後悔していることがあるとすれば、ボールペン選びでしょうか。私が使っていたボールペンが持つ部分が固く、長時間持っていると腕が痛くなるようなものでした。ボールペンは高価なものではないので、色々と試してみることをお勧めします。

 

本試験当日
本試験会場は某大学で机は長机、席は前のほうになりました。この試験に限らず資格試験は、会場の机が長机かどうかが極めて重要です。事務処理スピードに差が出ます。司法書士試験では死活問題です。願書提出段階で会場がわかる場合には、可能なら長机の会場かどうかは念のため事前に調べたほうがよいかと思います。私はたまたま長机の教室が当たりました。
試験官は法務局の職員だと思われます。他士業だと各団体が試験事務を行っている場合が多いので多少面喰らいました。成績通知を受けたいなら当日に配られた封筒に名前と住所を書くというのも初めてで驚いた覚えがあります。当然には通知してくれないのですね。
私は本試験直前で副鼻腔炎になってしまい、当日も薬を飲んで試験に挑みました。花粉症の方ならわかると思いますが、のどがやたら乾くクスリです。おかげでパフォーマンスは最悪に近く、試験中は結構な頻度で水分補給していたと思います。直前期の免疫力が低下してる際、模試を会場受験するために東京へ来たタイミングでうつされてしまったみたいなので、体調面にもっと気を遣えばよかったと心底悔やんだ覚えがあります。
午前の部は民法がやたら簡単に思えて、どこか勘違いをしているのではないかと怖くなった覚えがあります。一方、会社法では勘で答える羽目になった問題が数問あり、難易度が高い印象を受けました。刑法では、民法の講義の胎児の権利能力のところでテキストに書き込んだ一部露出説に関する出題があり救われました。
午後の部は民事訴訟法から解き始めましたが、難易度が高く出鼻をくじかれた格好になりました。再審の問題は全く分からなかったので鉛筆を転がしました。登記法は簡単なものもあれば、あまり見かけない問題もあり、記述に入る前に数問見直してマークを塗りました。
不動産登記の記述は登記記録から見ていきますが、登記記録上に地役権があることに気づき若干パニック。しかし蓋を開けてみれば申請件数を間違いようのない内容で、地役権はあまり関係ありませんでした。実際にかなり細かい論点での勝負になったようでした。商業登記の記述はまさかの清算株式会社からのスタート。「去年の続きかよ!」とひとり心の中で突っ込みを入れながら答案構成をしていました。答練などで会社継続の論点を扱うものは少なくあまり書いた経験がないため、本試験中不安でした。また、社外監査役の社外性を満たしているかの判断を求める記載があり、思わず筆が止まってしまいました。登記できない事項の判断も含め、不動産登記よりは難易度の高い内容でした。

 

後進へのアドバイス
勉強を時間で測ることからなるべく離れることをお勧めします。時間をものさしにしてしまうのは、言われないと勉強できない小中学生の勉強です。できれば、空いた時間を勉強に充てていたら気が付いたら就寝時間、くらいが理想です。私は勉強の記録を後からつけるのではなく、あらかじめ予定を前日以前にたてておいてそれをつぶしていくやり方が効果的でした。単にダラダラ勉強して学習した気になってしまうことを避けることができるだけでなく、計画からずれている学習は何かが一目でわかるようになります。

 

最後に
どのような経緯でこの資格を目指すことになったかは人それぞれだと思います。それと同時に、どのような環境で勉強できるかも人それぞれです。来年度以降の受験生が自身の実力を最大限発揮できることを祈ります。

一発合格者の合格体験記
お試し受験後、松本基礎講座でやり直して1年で合格!

T.Hさん

 

はじめに
漠然と受験を決意しました。

司法書士試験は合計2回受験しました。
1回目は、別の予備校で基礎講座を受講し約半年間勉強しましたが、結果は合格ならず。「来年は受かる」と言われそのまま中上級講座を薦められましたが、直観的に「無理だな」と思いまた基礎から勉強し直すため再度予備校巡りをはじめました。名古屋校に行った際に応対してくれたスタッフさんに心地よさのようなものを覚え、そのスタッフさんの紹介の中にあったリアリスティック一発合格松本基礎講座の受講を決めました。

 

勉強法全般
重視したことは以下です。
・先生の指示に従う
・「こなす」「回す」という感覚
「一つひとつ理解しながら…」では終わりません。機械的にでも先に進めることを意識しました。
・満遍なくやる
科目で言えば民事訴訟法・民事執行法・民事保全法、憲法。分野で言えば会社法・商業登記法の持分会社、一般社団(財団)法人、商法、不動産登記法の信託なども学習すれば点はとれます。得意分野に偏らず、むしろ苦手な箇所こそやれば点につながります。

 

択一
過去問について
まず解く順番を決めました。後で解くようにした問題の形式は、学説、文章問題、穴埋め、個数問題です。要するに、先にそれ以外の問題に時間をかけずに済ますことで、問題文が長いまたは肢の全部もしくは大部分を読まなければ答えが出せない問題を焦らず余裕をもって解くことができるように時間を作りました。問題を解いた後も解説を見ずに、分からなければテキストから根拠を探すようにしていました。検索先の一元化ってやつです。
「なんとなく○だろう」はダメです。時間を意識するあまり、5 肢中の2、3 肢まで読んだ時点で「正解っぽいな」と判断してしまう気持ちはわかります。しかし、実は最後まで読めばより確実に判断しやすい肢があることは少なからずありますし、そのことにより一問落とすのはかなり痛いです。また、たとえそれで合っていたとしても練習の段階から根拠づけて解く癖をつけないと、後で苦労します。それは答練や模試で痛感します。あくまで「かもしれない」運転でお願いします。
時間配分は、試験の午前科目は3 分以内/問で解き、午後科目は2分以内/問で解くように設定しました。また、午後科目についてはより時間が制限されるので「2秒ルール」を設けて解くようにしました。2秒ルールとは、一つの肢につき2 秒考えても正誤の判断基準が思い浮かばなければ次の肢・問題に進むというものです。「前習ったはずなのに」と、こだわりたくなる気持ちはわかりますが、たとえその肢を捨てて3点落としたとしても、次の問題に進み時間に間に合わせて合格する方を優先すべきです。また、後で見直した時に気づくことはありますが、大体その場でパッと思い浮かばなかったことがそのまま考え込んでわかることはないので、単純に自分の勉強不足だと反省し、次に次にと処理していくようにしていました。

 

記述
早いうちから申請書の雛型を覚え始めた方がよいです。択一の授業と並行して講義で扱った箇所を少しずつ覚えていくことをお薦めします。問題を解き始めるにあたっては、いきなり時間を計るのではなく、まずは目を通す順を決め、その流れを定着させることを徹底しました。そしてそれが自然に身につくようになったら、時間配分を意識するようにしました。
注意事項に時間をかけてはダメです。注意事項(事実関係など別のとこに記載されている場合もある)は、おおざっぱにいえば次の3種類に分けられます。

①大体どの問題にも書いてあるどーでもいいもの
②答えの書き方や考え方に関わる留意すべきもの(「今回はこー書け、こー考えろ」っていう試験官からの注文)
③その問題特有の指摘で、問題を解く上で大きなヒントとなるもの
①を消し、②③を残すことが秒でできるように訓練をした方がよいです。
凡ミスをなくすよう努めました。記述は1点のミスが命取りになります。書き間違え、書き忘れ、読み飛ばしなどをしてしまったら恥じて下さい。私の場合は、同じミスを繰り返さないよう、その都度ノートにミスの内容と対策としての思い出し方を書くようにしていました(以下、「テクニックノート」)。また、個人的には後述するように数字の見直しを特に注意しました。

 

不登法
「売買を原因とする所有権移転」の書式をまず完璧にした方がよいです。これは、あらゆる申請書のベースとなる雛型です。寝起きの状態でも目的~添付情報まで淀みなく言えるようにした方がよいです。枠ズレ防止対策は必須だと思います。そのための対策として、例えば以下のようなものがあります。
・名変登記の理解
・申請順序や申請件数を意識しながら択一の復習を行うようにする
・数字の見直し:登記番号、持分割合などです。添付情報として「誰の」「何番の」登記識別情報の提供が必要になるのかという点や、更正や抹消の登記があった後に申請する登記の目的の書き間違い(「A持分全部移転」とするところ「所有権移転」と書いてしまう等)を防ぐためです。

 

商登法
理由づけをより大事にした方がよいです。特に添付書面に関しては、模試や市販の問題集によっては解説がきちんと書かれていないこともあるので、「どのケース」に「何の書面」が「何通いるか」を理解していれば復習に手間がかかりません。(例えば、「株主総会議事録」を添付する場合でも、決議がなければ「株主リスト」はつけないなど。)また、不登法と比べると一つの申請書に書く量が非常に多いですが、登記すべき事項・登記の事由・登録免許税・添付書面はそれぞれつながっているので、手続きの流れが理解できれば長文であっても一気に書けるようになります。
ピンポイントの留意すべき知識:再任と重任の違い。経由申請の可否(例えば、本店移転の登記をする際の新所在地や、吸収分割の登記をする際の分割会社の所在地を管轄する登記所に同時に申請できる登記か否かの判断等)。印鑑証明書の添付(特に、誰の何につける印鑑証明書になるのかの理解や省略の可否)は混乱しやすいと個人的に感じました。自分なりの言葉で整理できるようにした方がよいです。
数字の見直し:添付書面の通数、役員等の就任・退任年月日、役員等の員数など。添付書面の通数は、間違えても減点が少ないと言われているのでまだマシかもしれません。しかし、役員がらみの数字につきましては例えば、「権利義務を有する者」に該当するか否かの判断が必要になることがあり、また「兼任禁止規定」などの問をまたがる論点となり崩壊しかねないので、特に慎重に確認するようにしていました。とにかく時間内に最後まで書ききることが大切です。不登法と違い枠ズレの心配がなく、最悪の場合時間がなければ申請できそうなものを全部書いちゃってもある程度点が取れるそうです。逆に時間切れが一番ダメだし悔いが残ります。

 

本試験当日
科目の解く順と後回しにする問題は以下のとおりあらかじめ決めていたので、それに従って解きました。
科目の解く順
午前:①会社法②民法③憲法④刑法
午後:択一①民事訴訟法・民事執行法・民事保全法②供託法・司法書士法③商業登記法④不動産登記法

記述①不動産登記法②商業登記法
※後回しにする問題は前記『私のとった勉強法/択一/過去問について』のとおり。
後で見返したときは難なく解けたが、その場では肢の論点すらわからずに間違えた問題が民法で2 問、憲法で1問ありました。振り返ってみればやはり緊張していたのだなと思いました。また、択一については、午前午後それぞれ答練や模試で大体取れている点数引く2問くらいかなと予め見積もっていました。しかし実際は、午前がさらに予想引く1問だったので焦りました。
午前科目の後半ぐらいの時間に、同じ教室内で苛立った受験生がシャウトし机を叩きつけるというハプニングがありました。本試験の会場は独特の緊張感があり、それゆえ様々なことが想定されるので、普段自宅で学習されている方も一度は模試等で会場を経験した方がよいです。ちなみに私は、「今の衝撃で緊張がほぐれたな」と前向きに捉えることができ、また「たぶんこれで落ち着いているのは俺ぐらいだな」と根拠のない自信につなげることができました。
試験開始直前と午前と午後の合間のルーティンは、模試や年度別過去問を解く際に次のように決めていたので、本番でもそうしました。

直前:①テクニックノートを見る②答練・模試を解く度に書いていた問題の解き方の反省と対策(以下、「議事録」)を読む③会社法のテキストを1 コマ分読む。
合間:①20分前後のラジオを聴きながらご飯を食べる②テクニックノート・議事録を読む③テキストの民事保全法のページを読む
午後科目は、記述の不動産登記法を終えた時点で残り45分になっていました。しかし、不動産登記法を解いている時も「45分ありゃいけるな」となぜか思い、商業登記法も普段通り飛ばすことなく解きました。結果、5分余ったので見直しに時間を費やすことができました。

 

最後に
勉強するだけ勉強したら、後はハッタリが大切です。不安な箇所があろうがとにかく受かればOKなので、その日は自分の日だと思い、セール時のおばちゃんよろしく厚かましくも合格というターゲットを奪い取ってきて下さい。実際のところ私も、試験当日は午後から急に土砂降りとなり雨に濡れながら帰ることとなりましたが、「これは祝福の雨だな。受かった…」と何の根拠もなく思いました。


おすすめの本・曲
・「ヒクソン・グレイシー 無敗の法則」ヒクソン・グレイシー著、ダイヤモンド社、2010.9
心の持ち方を自分でコントロールすることの大切さを教えてくれる本です。実際私の場合は、学習期間中は父親から度重なる嫌がらせを受け続けていましたが、そこでの怒りや悔しさをエネルギーとして利用することで学習を進めていた事実もあります。司法書士試験の勉強にあたっては、学習した知識の整理と同様に、「自分で何とかできること」と「自分ではどうしようもないこと」に分ける心の整理も必要だと思いました。
・"AMBITIOUS JAPAN!" TOKIO
言わずと知れた「新幹線の歌」です。メロディーもさることながら、歌詞も非常に前向きなところが特徴です。お気に入りの歌詞は「I get a true love」というところです。「なんか気分が乗らないな…」と感じた瞬間に本意気で歌うと、一気にモチベーションが上がります。屋内で発動すると十中八九白い目で見られますが、屋外ではまれにフラッシュモブのような一体感が生まれ、世界が一つになります。

一発合格者の合格体験記

学生から社会人へ。環境の変化がありながらも隙間時間を精一杯活用して一発合格!

K.N さん

 

はじめに
■他資格受験歴
平成26年度行政書士試験合格
■司法書士試験学習歴
平成26年秋に平成27年度合格を目指す松本基礎講座全科目DVDを申込み~平成29年3月までにすべてのDVD視聴を終える(平成27年春まで学生,同年4月以降は平日9時-18時勤務の兼業受験生)
■司法書士の受験を決意した経緯,合格までの受験状況

法学とは異なる分野に進学していましたが,就職前に平成26年秋の行政書士試験を受験。その後,関連資格を調べているなかで「司法書士」という資格を知り,ダブルライセンスを目指そうと思うようになりました。そして,平成26年の秋に(平成27年度合格を目指す)「リアリスティック一発合格松本基礎講座」を申し込みました。しかし,平成27年の春に就職して勉強時間が確保できず,結局DVDをすべて視聴し終えたのは平成29年の3月でした。松本先生にも相談に乗っていただき,隙間時間を精一杯活用して,何とか合格点までもっていくことができました。


私のとった勉強方法
平成26年の秋に(平成27年度合格を目指す)「松本基礎講座(全科目,DVD)」を申し込みました。しかし,平成27年の春に就職したため勉強時間を確保できず,また勉強する意欲もわかなかったため,パンフレットどおりのスケジュールで進めることができず,平成29年3月までの長期計画で一通り全科目のDVDを視聴し終えました。そして,4月~本試験にかけては,追っかけ復習,記述式演習(過去問+授業でやった問題),択一過去問解き直し,音声学習,本試験前に辰已と某予備校の出題予想会を視聴などで追い込みをかけました。


〈択一対策〉
■全体を通して
テキストを勉強の中心に据え,DVDで理解した後は授業で指定された過去問を1回解き,テキストに戻って復習するという勉強方法でした。

■平成28年10月まで
民法と不登法の途中まではDVDの視聴+1回目の指定過去問演習(これも民法と不登法の途中まで)を終えていたので,出勤前や昼休みなどの隙間時間を使って,テキストの読み直し(追っかけ復習)を行っていました。
■平成28年10月から平成29年3月まで
この半年間で残っていた科目のDVDを一気に視聴しました。とはいっても,平日は仕事がありましたので,だいたい土曜日に1コマ,日曜日に1コマのDVD視聴というペースでした。ただ,絶対に平成29年度の本試験で合格したいと考えていたので,松本先生のおっしゃる「ノルマ達成の発想」を意識し,自分で勉強計画表をエクセルで作成し,印刷して壁に貼り,チェックをつけていくことで,ずれが生じながらも何とか視聴し終えました。また,計画を立てた際には,新たなDVD視聴から2か月以内にその部分のテキストページを3~5回読み直すようにしました。できなかった範囲もありましたが,できた場合は計画表にチェックするようにしていたので,多くの部分で達成できました。DVD視聴日に指定過去問も解き,その日のうちにテキストに過去問番号を書き込むのも終えられるように努めていました。
■平成28年10月から本試験直前まで
上記の期間に重なる形で,追っかけ復習を仕切り直しで再スタート。平成28年10月から平成29年4月中旬までに,民法,不登法,会社法・商登法を3 周,またその間の平成29年1月末~2月中旬に民訴・民執・民保を1周,平成29年4月中旬から6月下旬までに全科目のテキストを3周しました。その後,本試験前に全科目を1周(丸暗記),本試験直前にも全科目を1周(緑の知識)しました。
※「緑の知識」とは松本先生の売りになっている知識のことで,緑のボールペンで書き込みをしているのでそう呼ばれます。
※読み方,1ページを読むスピードは同じではありません。読むべきノルマを決めたうえで,何秒で1ページを読めば大丈夫そうかを計算して計画を立てました。ただ,あくまでも「予定」であり,その時間を超えてしまうことも多々ありました。
※もっと追っかけ復習をすべきだったと反省しています。
また,上記の追っかけ復習のほかに,4月から本試験までの間に,過去問(松本先生が授業で指定してくださった過去問)を解き直しました。そのときに間違えた問題はさらにもう一度解きました(おそらく全部で1800問を超える程度の数を4月以降に解いたと思います)。


〈記述対策〉
■平成29年3月まで
記述式の講義も含んだ講座であり,かつ,全科目を受けていたので特典として「申請例音声データ」入りのMP3プレイヤーをいただいていました。そのため,記述対策は配布された資料,松本先生の記述式の解法本,問題冊子,講義DVD,音声学習(シャドウイング)をメインに進めました。
音声学習(シャドウイング)については,辰已ホームページやガイダンス映像などで紹介されていると思いますが,申請書の記載例を音読した音声データを聞いて,それを自分で声に出すという学習方法です。慣れてくると,音声データを聞く前から自分で記載例を言うことができるようになり,大変助かりました。主に通勤時や買い物に行くときなど,歩いているときに行いました。
申請例10個弱分ぐらいがだいたい15分前後だったので,それを1回分として自分で範囲を決めました。勉強記録が平成28年10月からしかないので,それ以前は不明ですが,平成28年10月から翌29年1 月ぐらいまではだいたい1 日に3~4 回繰り返して聞き,声に出しました。2月以降はそこまで行いませんでしたが,1日に1回は行うように努めていました。また,記述の勉強をどの時期に行うかについてですが,元々パンフレットにあったスケジュールに倣いました。パンフレットのスケジュールでは会社法・商業登記法の講義を受けている時期に,不登法の記述の講義を挟み込むスタイルでしたので,それに倣って私も進めました(1コマの中で択一の講義と記述の講義を混ぜているわけではありません)。同じように商登法記述の講義も,いわゆるマイナー科目といわれる講義の時期に,挟み込むスタイルでした。
■平成29年3月中旬~5月の初め
この時期に,確か不登法記述H11~,商登法記述H18~の過去問を1日1題交互に解いていきました。同時に,音声学習は1回分の範囲を15分程度と決めて,隙間時間で繰り返すようにしていました。
■平成29年5月~本試験直前まで
この時期は,再度記述式の講義で扱った問題を解き直すという勉強を行いました。そして,間違えた箇所については,ワードにメモしていくようにしました。音声学習も行っていました。


インプット―松本基礎講座のメリット
受講していてよかったことは次の通りです。

 

理由づけが豊富で,自分の勉強スタイルと合っていた。
※人によっては,理由付けが多いと逆に覚えにくいという方もいらっしゃるかもしれませんが,私は理由付けが豊富なほうが理解しやすかったので助かりました。どこが重要なのか,どこを覚えるべきなのかがわかりやすく提示され,テキストに書き込む色を使い分けることで,復習する際に自分の頭でもう一度論理を組み立てやすかった。
※ここは結論,記憶すべき事項,ここは理由,ここは応用可能な知識,などと分けられたおかげで,メリハリのある復習をすることができました。

 

申請例の音声学習を行うことができた。
※このおかげで,実際に問題を解くとき以外は,ほとんど申請書を手書きすることはありませんでした。「発音できれば,あとは漢字にするだけ」という松本先生の言うとおりだと思いました。


受講期間が終わっているのに,勉強計画を松本先生に見ていただいて,助言を受けることができた。
※受講生向けに,直前期の勉強計画をまとめた資料をいただいていたので,パンフレットのスケジュールとそれとを合わせて参照し,自分なりにまとめた勉強計画を松本先生に送り,見ていただきました。講座専用ブログが開設されており,過去問で問われる知識がテキストのどこに出てくるのかを照合する作業がしやすかった。
※正直に言えば,過去問とテキストを照合する作業は本当に大変でした。ただ,ブログのお蔭で何とか乗り切れました。


全科目を松本先生が担当している。
※一貫した勉強方法と試験への向き合い方を松本先生がたびたび講義中にお話ししてくださったおかげで,自分の軸がぶれることなく試験に臨めたと思います。

 

松本先生特製の記述の採点基準を推測するレポートをいただけた。
※自分が受ける年も同じように採点されるかはわからないものの,これまでの傾向を知ることができるのは精神的にもメリットですし,受験の戦略上も有意義だと思います。
※講座専用ブログでは質問も行えますし,松本先生からのご回答も早いので,これもメリットです。しかし,私はエンジンがかかるのが遅かったので,テキストの内容に疑問に思った時点で既に質問受付期間が終了しており,法律関係の質問は松本先生にしませんでした。ただ,メリットであることに変わりはないので,一応挙げておきます。


アウトプット―松本基礎講座のメリット
受講していてよかったと思う点を,アウトプットの観点で考えると次の通りです。


テキストでアウトプットするという考え方を知った。
※松本先生は,テキストでアウトプットするという考え方を強くおっしゃっており,私も「確かに」と思ったので,アウトプット用の講座は受講していません(辰已と某予備校の模試は受けました)。「松本先生のやり方どおり完璧に」とはできませんでしたが,テキストを読み込み,咀嚼して,思い出しながら読み進めていくという意識を持てたことは大きかったと思います。テキストを復習すれば,過去問で狙われたところを確認できると同時に,まだ問われていない知識で覚えるべき知識もわかりますので,問題演習を繰り返すのではなく,テキストを読み込むほうに重きを置きました。


手を広げさせないようにしてくれる。
※ついつい「あれもやったほうがいいか」と思いがちですが,直前期の過ごし方の資料を読んだり,松本先生のアウトプットへの考え方に触れたりすることにより,他の教材に対しては一定のブレーキをかけて,目の前の教材を最大限活用する方向に進むことができました。

 

ミスを減らす記述対策
※記述式の問題冊子の注意書きの処理方法をはじめ,定型的な作業を短い時間でいかに行い,問題読解の方に時間を割けるようにするかということを隅々まで考えてくださっていて,初めて記述式に触れた時から「役に立つ気がする!」と思わせてくださいました。


受けるべき模試を教えてくださる。
※1校だけの模試では偏りが出るため,どの予備校の模試を受けるといいかということを教えてくださいました。私は答練を受ける時間を作れなかったので,本格的なアウトプットというのは模試(と過去問演習)しかなかったのですが,どの模試を受けるべきかまで教えてくださり,助かりました。また,これは講座の話ではないですが,私は辰已のモーニングシャワーに登録して,毎朝メールで来る3つの○×問題をアウトプットの一環に位置付けていました(もう1つ別の予備校のメール配信も登録していました)。


最後に
勉強計画を立て直した平成28年10月から本試験までは,本当に集中して勉強したと思います。しかし,それは単に資格を取りたいという気持ちだけでは成しえませんでした。
新入社員だったため,講座の受講料は一括では支払えず,月々1万円弱ずつ支払うローン形式でした。もし平成29年に合格できなければ,使っているテキストが古くなり,さらに,民法改正も考えると,買い直さなければならなくなってしまうのではないかと思われ,気合が入りました。
大学時代の奨学金も返済が始まっていたので,絶対にこれ以上出費を増やしたくありませんでした。講義や過去問を消化するだけでも大変で,一日の仕事以外の時間をほぼ勉強に当てていたため,自分もいやになるほどでしたが,周りにも相当な迷惑をかけていました。もう1年同じ迷惑をかけることは考えられませんでした。また,自分ももう1年同じ生活ができる自信がなかったので,気合が入りました。日中働いて,隙間時間に勉強して,帰宅して炊事して,休日も早く起きて勉強して,掃除,洗濯をして,買い物に行って,それ以外は勉強して…という生活スタイルは,規則正しいかもしれませんが,自分の時間はほぼ取れず,本当にうんざりでした。
直前期は,帰宅後の夕食をとる際にもニュースは見ずに,苦手意識のあった分野の講義DVDを流すという生活でした。早く普通のテレビが見たい,と思っていました。
きつきつのスケジュールだったため,風邪をひかないように本当に注意しました。外出先から帰ったら手洗いうがいを欠かさないように心がけ,インフルエンザの時期前には予防接種をしました。


このように,プラスの感情ばかりで勉強を続けたわけではありません。もちろん,司法書士として活躍したいというプラスの感情から勉強への動機を起こすこともありましたが,「~したくないから」という方向から勉強に取り掛かることも多くありました。それが現実だと思います。どちらも受け入れて,勉強への動機に変えて,勉強を積み重ねていけばいいと考えて取り組めば大丈夫だと思います。

一発合格者の合格体験記
「何をしないか」について徹底的に考え抜き実行。兼業でも一発合格!

 J.Tさん

 

受験開始

「司法書士」、学生時代からその存在は知っていましたがその合格率の低さや広範な試験範囲から漠然と「中途半端な状態で学習を開始しても合格レベルに達する事は無いだろう。」と学習開始は敬遠しておりました。

しかし大学卒業後実社会での日々の中で法律知識の重要さを知ると共に商法・会社法については全資格試験中最高レベルの知識が求められビジネスの現場とも親和性の高いこの資格に非常に大きな魅力を感じ、平成26年度試験の受験を決意しました。
とは言え学生時代のように勉強に集中出来る環境を作り出し、法律初学者かつ兼業の受験生が一年間で合格レベルまでに到達するには一定程度の工夫が必要でした。
以下具体的な施策と学習方法について記載して行きます。

 

平日で6時間、休日では10時間くらいの勉強時間は確保していました。ただし後述するように勉強時間ではなく勉強量にノルマ設定していたため時計を気にしながら学習する感覚はありませんでした。
そして学習開始当初かなり意識的に行ったのは勉強時間確保のために「やらない事を決める作業」です。受験勉強においては「何をするか」も重要ですが、この「何をしないか」について徹底的に考え抜いた事も私が1年で合格出来た大きな要因だと思います。まずテレビ、ゲーム、SNS などの浪費時間をゼロにし、知人、友人からの単純な遊びの誘いはほぼ全て断りました。これにより勉強に割く事が出来る可処分時間が飛躍的に向上しました。また食後眠くなったりしないように重い食事や飲酒も極力避け、常に身体のパフォーマンスに気を配る事で時間対効果の改善にも取り組みました。食事の内容等ついてもかなり拘りましたがそれについては細かく書いていると長くなりますので割愛致します。また食事中もスマホやPC、DVDで講義やガイダンスの動画を見るようにし、移動中は音声学習で条文・申請書の定着を行う事でただ消費してしまう時間もゼロに近付けるように意識しておりました。このように常に学習に触れている事でオンオフの切替に要する時間も少なくなり、机に向かって集中する迄に時間を要する事もほぼ無かったように思います。

 

辰已法律研究所にて松本先生の基礎講座受講開始
司法書士の学習を開始すると決めてすぐに辰已の門を叩き松本先生の開講前ガイダンスに出席、その後すぐに受講を開始しました。学習スタイルとしては通学で講義に出席し、その後は講義範囲(テキスト30〜40ページ程度)の3回の復習、指定の過去問、次回講義範囲の予習をノルマに設定し、次回講義までにこなす事を徹底して行いました。ちなみに復習の際は知識をテキスト上で一問一答のような形でアウトプット(例えば「民法132条不法な条件を付した法律行為は無効とする」まで読んだら「不法な行為をしないことを条件とするものも同様とする」をアウトプット。「買戻特約の登記の添付書面」まで読んだら「登記原因証明と代理権限証明情報」をアウトプット。)しながら読み進める方法で行いました。過去問よりも抽象度の高いテキスト上でアウトプットが出来るようになれば問題形式を問わず知識を引き出し易くなります。
以上をこなしていれば法律初学者の私であっても論点すべてを暗記してはいないものの理解出来ないと言う感覚になった事は殆どなく、毎回新しい知識を得る感覚にやみつきになり講義のある木曜と日曜を心待ちにする日々でした。
そして学習開始後2ヶ月後のお試し受験では午前民法の学習済範囲内の知識で解答可能な11問中10問正解。(失点した1問についてもイージーミス)この事実が合格への大きな確信となり、教材と学習法にも自信が持てました。この感覚を得てからは講義テキスト、過去問、六法、講座専用ブログ以外の情報源はシャットアウトし「この講座だけを完璧にする」と言う思考に切り替えました。

 

勉強量増加の壁
秋から講義が週2コマから3コマになると実質勉強量が1.5 倍になり一気に余裕はなくなります、得意になっていた民法についても知識が抜け落ちてゆくのを感じ焦燥感も募る日々に。しかし冒頭のノルマだけはこなして行こうと考え、焦りの中でも機械的にノルマだけはこなしておりました。この頃になると勉強が深夜朝方近くに及ぶ事が普通になり冗談は抜きで週に一度程度発熱していたと記憶しています。学習開始以前の腑抜けていた生活のツケを感じました。

しかしその期間を乗り越えれば自身の学習スピードも向上し、講義と同時並行で他科目を復習する余裕も出来はじめます。記述式も答案構成には最初苦労しましたが申請書に関してはテキスト上のアウトプットと音声学習シャドウィングが抜群の効果を発揮し基本的申請例雛形は苦なく記憶してしまうので、主に必要な登記を正確な順序で申請する事に集中力を注ぐ事で正答率も向上し、苦手意識も解消されました。商業登記法に関しても言えることですが記述で既出の論点を潰してゆくと択一論点の理解に要する負担が軽くなりますので記述式の醍醐味である知識を使いこなしがら体得して行く感覚を楽しみながら学習するのが大切だと思います。


枠ズレ• 時間切れについて
「枠ズレ」、不動産登記法記述式試験に関するこの言葉をご存知の方もいらっしゃるかと思いますが「必要な登記を抜かすor不要な登記を入れる事によりその後の申請書すべてが採点されなくなる事(例外もあるようですが)」です。ほとんどの場合これだけで合否を左右する致命傷になります。「時間切れ」は単純に時間が足りなくなり申請書や解答が書けなくなる事、答えを書けない以上点数は入りませんのでこれも同じく致命傷となります。
しかし個人的に一番良くないと感じたのは「枠ズレを恐れる余りに問題検討中に生まれる漠然とした恐怖感、不安感や時間切れを恐れる事による焦燥感に支配される事」だと思います。これに陥ってしまうと落ち着いてやれば気付ける論点を落としたりします。ちなみに私は時間切れを特に恐れる節がありましたので実力以上の速度(180分間の午後試験で40〜60分余らせたりしていました。)で解いてしまい論点を見落とすと言うスランプに陥りました。本年度本試験でもそれによって問題文を読み飛ばし枠ズレを引き起こすと言う最悪のミスを犯しています。

これを防ぐために日々の択一・記述過去問演習や模試にていつも決まった解法で時間内に解答出来るかを意識的に確認しながらの問題検討を行うのは必須かと思います。


模試
答練は受講せず、模試を3月から6回程受けました。模試ではとにかく時間内(目安は午前択一1問3 分、午後択一1問2分、不動産登記記述式•商業登記記述式各55分)に問題を終わらせる練習、記述式を講義で学んだ手順で回答する練習と割切り、復習は誤った選択肢のみ一応の検討はしましたが問題を何度も解き直したりする事はしませんでした。
得点は6月前半時点でやっと模試の基準点くらい(最終のもので午前26問午後26問)取れるようになったくらいです。ただ受験生の学習は模試のための学習ではなく本試験のための学習ですので模試の点数や順位については深く考慮する必要はないと考えていました。

 

直前期
4月〜6月は仕事も休み完全に受験勉強だけの生活をしましたが、長い間平日6時間、休日10時間と言う限られた時間内でその日の学習ノルマを終える習慣が染み付いており正直学習量にさほどの変化はありませんでした。ただやはり退路を断つ事による集中力向上はあったと思います。

この時期にはテキストを5回転させ平成の過去問を1回転、模試、年度別の過去問を直近5年分こなしました。直前1週間はテキスト、過去問の不安箇所をとにかく暗記。模試で午後択一不動産登記法の失点が気になったので先生と相談し不動産登記法のみ過去問をもう1回転も追加しました。

 

2014年度本試験
連日の長時間学習による疲労で本試験の朝も熱が下がらず栄養ドリンクを飲んで受験地早稲田大学へ。自宅から近いので自転車で会場に行きましたが到着時点で息切れする程に体調は悪かったです。しかし人間の気概と言うものは凄いもので試験がはじまると体調はスッと良くなり集中出来ました。
午前択一では時間的には余裕があったものの個数問題が多く、確信を持って解答出来ない問が散見しました。しかし「これは基準点が下がるな」と感じただけで特に焦燥感に襲われる事もなく問題検討出来ました。

午後択一では直前期に不動産登記法を高速一回転したのが効いておりスピーディな問題処理に成功し、残り120分を残してお手洗いに行った後に記述式に着手。記述開始後すぐに不動産登記法の問題文の長さや論点の難しさに面食らいましたが、とにかく60分以内に終わらせて商業登記に取り掛かる事に集中し、「不安箇所は商業登記が終わった後に検討し直せば良い」と割り切って答案を書き上げました。
商業登記は基本的かつ得意な論点が多く落ち着いて解答出来たと思います。もし不動産登記を納得いくまで検討してしまっていれば折角得点源になった商業登記の検討時間が不足してしまったと思いますので前半の判断は正しかったと思います。まさに模試の目的を制限時間内解答に置いていた事が活きた瞬間でした。


筆記試験合格発表
試験後の自己採点では不動産登記法記述式にて問題文終盤の基本論点読み飛ばしによる3欄の枠ズレを筆頭に午前択一でもテキストの知識で取れる問題を4問も落としている事が発覚。合格可能性はゼロではないにせよかなり厳しいものになると覚悟していました。

そして基準点突破を経て、10月1日の筆記試験合格発表日。上述の通り合格の確信があった訳ではありませんでしたが何はともあれ自身の司法書士資格受験の集大成をこの目で確認したいと思い九段下の東京法務局の掲示板へ。人も疎らな法務局前。心の準備も無しに掲示板の前に立つとすぐに自身の番号が目に飛び込んできました。突然現実のものとなった一年間の学習成果を前に突き上げるような嬉しさと信じられない気持ちが入り混じった感覚が身体を突き抜けたのを覚えています。


松本基礎講座での一年間について
私は周囲を巻き込んで司法書士と言う実務家を志し、学習を開始するのであれば資格取得も仕事の一貫、言わば一つのプロジェクトだと考えていました。そして通常のプロジェクトであれば戦略立案に修正•微調整を重ねて初めて日々のルーティンワークに業務を落とし込む事が出来ます。しかし司法書士試験に関しては方法論•学習ツール•知識の取捨選択作業を松本先生が徹底的な研究をしてくれています。私はその武器を使って日々ルーティンワークだけを実行するだけで合格レベルに持ってゆく事が出来ました。仕事と言う観点から考えればこんなに恵まれた環境はあり得ません。方法論の試行錯誤に陥る事なく純粋に学習だけに専念する。そんな贅沢な環境を提供してくれたこの講座には大変感謝しています。


これから司法書士を志す皆様へ
合格率や巷に溢れる情報に惑わされる事なく、ご自身の手応えや感覚を信じて、たった一年間でいいので本気でやり抜いてみて下さい。その皆様の小さな勇気の報いる形で未来は思った以上に大きなプレゼントを小脇に抱えて待っていてくれると思います。


終わりに
末尾となりましたが宝物のような時間を一緒に紡いで頂いた松本雅典先生、松本基礎講座受講生の方々、受験を支えてくれた親族、知人に心より御礼を申し上げます。最後まで読了頂き有難うございました、この体験記が少しでも皆様のお役に立てれば幸いでございます。